彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「チョコ!無事だったか!?」



こちらに気づいた丸山さんが返事をしてくれた。

それに答えるように駆け寄りながら私も叫んだ。



「丸山さん、助手席の奴が黒木です!大ボスです!」

「わかってる!チョコ、中はどうなってる!?」

「女探偵のミクお姉さんと黒子ファイブという黒の特攻服を着た4人は味方です!戦っていますので、加勢して頂けませんか!?」

「黒子ファイブのことは、関山から聞いてる!女の探偵もいたのか!?」

「美人で、黒のロングヘアーで、短いローライズをはいてるのですぐにわかります!」

「わかった!味方は5人だな!?」

「はい!どうか一緒に、建物の中の少女達を、保護してください!それから、半グレと従業員と客達は絶対に逃がさないでください!!女であっても容赦しないでくださいね!?逃がさないで!」

「任せろ!」

「お、坊主じゃないか!?」

「チョコちゃん、怪我ないか!?」



私達のやり取りで、他のホームレス達がこちらを見た時だった。



パッパッパァー!



一瞬のスキをついて、車が急発進した。



「うわ!?」

「丸山さーん!?」



車を囲むホームレス達を振り払うように走り出す車。

扉が閉まっていないのにもお構いなしで、ドアが全開のまま走り出す。



「逃がすか!」

「チョコ!?」



私の横を通過しようとしたので、開いているドアへと飛びつく。



「なんだこいつ!?」

「凛道蓮だ!」

「くっついてきやがった!」

「振り落とせ!」



車が蛇行するけどしがみつく。



「チョコぉー!?」

「そっちはお任せしましたよー!」



丸山さんの叫びに、私も大声で答える。



「逃がさないぞ!!」

(絶対に、逃がさないんだから!)


「落ちろ!クソガキ!」

「落ちません!」





ガンガン蹴られたけど、必死でしがみついた。

これに黒木とちあきが苦い顔をする。