狂気に満ちた顔で野獣が笑う。
「わはは!!遊べやコラー!!」
ドッ!!
百鬼のパンチがXに炸裂する。
「うう~!」
それで後方へと吹き飛んだけど・・・
「うう~」
何事もなかったように起き上がった。
「えええええ!?百鬼さんの攻撃が聞かない!?」
「はははは!どうだ思い知ったか!」
盛り上げる敵と、
「やだぁ、丈夫じゃない!面白くなりそう~」
「絶対、薬やってるだろう?おもしれーな~」
「久々に、面白い展開じゃないか。」
「わっはっはっ!こりゃいい!!面白い!!」
「どこがおもしろいんですっ!?」
浮かれる味方。
〔★危機感が全くなかった★〕
「なんでお前らがはしゃぐんだよ!?」
「わーはっはっはっはっ!!楽しいからに決まってるだろう~!?」
敵のツッコミに、楽しそうに、とても楽しそうに笑う百鬼。
そして、利き手をグルグル回してから拳を突き出した。
「これでどうだっ!!?」
ビシュン!
野獣のこぶしが心臓付近にぶつかる。
「うっ?」
ここで初めて、小さいながらもうめき声を漏らす敵。
「うう・・・・。」
そして、電池が切れたロボットみたいにその場に崩れ落ちた。
動かなくなる。
「え、X―――――――!?」
黒木の声に、もう反応することはなかった。
「か・・・勝ったんですか?」
恐々聞けば、百鬼が笑う。
「当然だろう!わははははは!」
「はいはい、カウント取るぞ~?ワン、ツー、スリー」
「フン!無意味なことを。」
「フォー、シックス、セブン~」
「凛ちゃん、怪我はな~い?」
「エイト、ナインー」
「僕は大丈夫ですが・・・」
「テーン!!」
カウントを終えた烈司さんが叫ぶ。
「黒子5号の勝ちぃ~!」
百鬼の片手を上げて勝利宣言をする烈司さん。
「イエーイ♪」
楽しそうに叫ぶモニカちゃんと、惜しみない拍手をする獅子島さん。
「Xがやられた・・・!?」
震える声でMESSIAHのボスがつぶやく。
それで私達以外の人間も騒ぎ出す。
この事態に、顔を青くしたのは変グレ達だけではなかった。
「に、逃げろ!」
「あれを倒しちゃうなら、ヤバいだろう!?」
「まき沿いはごめんだ!」
これを見ていた客が逃げだす。
「おっと!どこ行くのかしら~?」
出入り口に殺到する奴らを、あの方が通行止めする。


