彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




狂気に満ちた顔で野獣が笑う。



「わはは!!遊べやコラー!!」

ドッ!!



百鬼のパンチがXに炸裂する。



「うう~!」



それで後方へと吹き飛んだけど・・・



「うう~」



何事もなかったように起き上がった。



「えええええ!?百鬼さんの攻撃が聞かない!?」

「はははは!どうだ思い知ったか!」



盛り上げる敵と、



「やだぁ、丈夫じゃない!面白くなりそう~」

「絶対、薬やってるだろう?おもしれーな~」

「久々に、面白い展開じゃないか。」

「わっはっはっ!こりゃいい!!面白い!!」

「どこがおもしろいんですっ!?」



浮かれる味方。



〔★危機感が全くなかった★〕



「なんでお前らがはしゃぐんだよ!?」

「わーはっはっはっはっ!!楽しいからに決まってるだろう~!?」



敵のツッコミに、楽しそうに、とても楽しそうに笑う百鬼。

そして、利き手をグルグル回してから拳を突き出した。



「これでどうだっ!!?」

ビシュン!



野獣のこぶしが心臓付近にぶつかる。



「うっ?」



ここで初めて、小さいながらもうめき声を漏らす敵。



「うう・・・・。」



そして、電池が切れたロボットみたいにその場に崩れ落ちた。

動かなくなる。



「え、X―――――――!?」



黒木の声に、もう反応することはなかった。



「か・・・勝ったんですか?」



恐々聞けば、百鬼が笑う。



「当然だろう!わははははは!」

「はいはい、カウント取るぞ~?ワン、ツー、スリー」

「フン!無意味なことを。」

「フォー、シックス、セブン~」

「凛ちゃん、怪我はな~い?」

「エイト、ナインー」

「僕は大丈夫ですが・・・」

「テーン!!」



カウントを終えた烈司さんが叫ぶ。



「黒子5号の勝ちぃ~!」



百鬼の片手を上げて勝利宣言をする烈司さん。



「イエーイ♪」



楽しそうに叫ぶモニカちゃんと、惜しみない拍手をする獅子島さん。



「Xがやられた・・・!?」



震える声でMESSIAHのボスがつぶやく。

それで私達以外の人間も騒ぎ出す。

この事態に、顔を青くしたのは変グレ達だけではなかった。



「に、逃げろ!」

「あれを倒しちゃうなら、ヤバいだろう!?」

「まき沿いはごめんだ!」



これを見ていた客が逃げだす。



「おっと!どこ行くのかしら~?」



出入り口に殺到する奴らを、あの方が通行止めする。