彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「201万です。」

「え?」

「だから、9番への入札ですよ。」




持たされていた札を右手で上げながら、左手でなずなちゃんを指さしながら告げる。



「なに言ってんだ!?入札は終了したぞ!?」

「てか、お前は買われる側だろう、蓮!?」



司会者とちあきが何か言ったが関係ない。



「いえいえ。引き取る意思があるので、僕にも参加の権利があります。この人より高く入札したので、僕がなずなちゃんを頂きます。」

「ふざけるな!」



真下から声が響く。



「その子は俺が買ったんだ!俺のものだ!」

「僕の方が提示した金額の方が、高いです。」

「だったら、202万だ!」



値を吊り上げてきた。

1万円だけど。



〔★セコイ値上げだ★〕



「では、203万です。」



馬鹿に対抗して1万円プラスする。



「じゃあ、204万だ!」

「205万。」

「206万!」

「207万。」

「おーい、上がる値段が少ないぞ!」



私達の戦いにヤジが飛ぶ。

それもそうかと思ったら・・・



「217万!」



敵が、ちまちまあげるのをやめた。



「217万だ、217万!」



そう言ってるが、数字のきりが悪い。



「300万。」



私の言葉で会場は活気づく。



「な!?さ、300万だと!?」

「やめときます?」



ダメもとで聞けば、真っ赤な顔で言った。



「さ・・・310万だ!」



今度は10万単位で上がるのかしら?



「320万。」



様子見で言えば、男はドヤ顔で叫ぶ。



「400だっ!」



加算金額が、100単位に変わる。

それなら・・・



「800万。」

「え!?」



2倍にした。



「は・・・820万だ!」



粘ってきたので、とどめを刺した。



「1000万。」

「なっ!?」



会場がどよめき、競っていた相手は真っ青になる。



「もう終わりですか?」

「くっ・・・そ、そんなにお前が、払えるわけないだろう!?」

「払えますよ。」



わざとらしく、鼻で笑ってから伝えた。





「体で払う。」

「凛・・・!」

(・・・あのばか・・・)





〔★爆弾発言だ★〕