「これは、心身ともに回復するタイプなので、心身が弱っている9番ちゃんで試してみましょう!」
そう言うと、周囲に身振り手振りで指示を出す。
それを受け、座り込んでいるなずなちゃんの両脇を男2人が掴んで立たせる。
「即効性で、夜の営みにも抜群の効果があります!さあ、試してみよう!」
気持ちの悪い笑顔で司会者が言う。
なずなちゃんに、グラスの水と薬が勧められる。
それに彼女は――――――
「いやぁ!!」
ガシャーン!
激しく抵抗する。
「やだやだ!やめて!」
暴れて振り払った手が、グラスも水も床に散らばった。
「もう薬を飲むのは嫌!体も売りたくない!」
泣きながら叫ぶ。
「コラコラ、大人しくしなさい。」
その態度に笑顔で答える半グレ達と。
「おい、早く飲ませろよ!」
「俺が飲ませようかー?」
笑いながら見ている客達。
「やめて、やめて!」
「良い子にしなさい。」
そう言って後ろからなずなちゃんの体を、前からなずなちゃんの顎をつかんで抑え込む屈強な男達。
2人がかりで押さえられ、口を開かされるなずなちゃん。
それだけでも許せないのに・・・
「お客様、飲ませてみますか?抑えておきますので?」
「い、いいのか?ぐふふふ・・・!」
「どうぞどうぞ!お客様の手で、わがまま娘を従順にして下さいね。新しい水もお持ちしますので。」
「じゃあ、口移しで~」
「どうぞどうぞ。」
「いやぁー!!」
なずなちゃんを買った男に、彼女がいやがることをすすめ始める司会者。
それで盛り上がる周囲に、完全に気持ちが冷えた。
「や・・・助けてぇ!!お母さん!お父さん!おねえちゃあん!!」
家族の名を必死で呼ぶ姿。
我慢できなくなった。
「凛っ!?」
ミクお姉さんの制止を振り切る。
「助けて、『お姉ちゃん』!!」
「『お兄ちゃん』じゃダメですか?」
「え・・・?」
ドスッ!
「ぎゃっ!?」
水を受け取った馬鹿な客を、背後から蹴り上げる。
もちろん、股間を下から蹴った。
ガチャ―ン!
それで再びグラスが割れる。
「ごおお・・・」
「お、お客様!?」
「誰だ!?ふざけた真似するのは!?」
「あ!?お前!?」
「蓮君・・・!?」
股間を抑え、うずくまる馬鹿を足で踏みながら言った。


