彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「おい、このままだと9番ちゃん、あの男のものだな?」

「あいつ、毎回9番ちゃんを指名してたよな?」

「変態で有名だもんな。9番ちゃん、可哀想に~」



(なんですって!?)



とんでもない会話が後ろから聞こえた時、商談成立を知らせるハンマーが鳴った。



「9番は、こちらのお客様のご落札でーす。」



なずなちゃんを落札したのは、ニヤニヤしている気持ち悪い男。

蒼い顔のなずなちゃんが、相手の男に引き渡されるが―――――



「うぅ・・・」

(あれ?)



なずなちゃんの様子がおかしい。

なぜか、その場にへたり込んでしまった。



「なずなちゃん・・・!?」

(もしかして、拒絶反応?)



そう思ったけど、なんだか違う。

座り込んだなずなちゃんに司会の男が何か言っている。

彼女の耳元でささやいた後でこちらを見ながら言った。



「失礼しました!ここでCMを入れますね~」

(CM?)

「今月の新作をご紹介します!」



司会者が合図すれば、ちあきが水の入ったグラスと、お皿を持ってやってきた。

真っ黒な焼き物の上に、白い何か乗っている。



「なんでしょう、あれ?」

「あれは・・・」



顔を寄せ合い、様子をうかがう私と瑞希お兄ちゃん。



「こちら、気持ちが昂るタイプになります!」



その瞬間、瑞希お兄ちゃんがつぶやく。



「ドラッグか。」

「え!?」



言った本人を見れば、ミクお姉さんは渋い顔をしていた。



「女を紹介する時に、新しいドラックの宣伝もするって聞いていたけど・・・」

「まさか、なずなちゃんで試すというのですか?」

「いいえ、彼女はすでに試されてるわ。慣れてない子を使うよりも、慣らしてる子を使った方が面倒じゃないからね・・・」



それで思い出す。

なずなちゃんも、よくわからない薬を飲まされていたことを。

内心修羅場の中で、司会の男は説明しはじめた。