「おい、このままだと9番ちゃん、あの男のものだな?」
「あいつ、毎回9番ちゃんを指名してたよな?」
「変態で有名だもんな。9番ちゃん、可哀想に~」
(なんですって!?)
とんでもない会話が後ろから聞こえた時、商談成立を知らせるハンマーが鳴った。
「9番は、こちらのお客様のご落札でーす。」
なずなちゃんを落札したのは、ニヤニヤしている気持ち悪い男。
蒼い顔のなずなちゃんが、相手の男に引き渡されるが―――――
「うぅ・・・」
(あれ?)
なずなちゃんの様子がおかしい。
なぜか、その場にへたり込んでしまった。
「なずなちゃん・・・!?」
(もしかして、拒絶反応?)
そう思ったけど、なんだか違う。
座り込んだなずなちゃんに司会の男が何か言っている。
彼女の耳元でささやいた後でこちらを見ながら言った。
「失礼しました!ここでCMを入れますね~」
(CM?)
「今月の新作をご紹介します!」
司会者が合図すれば、ちあきが水の入ったグラスと、お皿を持ってやってきた。
真っ黒な焼き物の上に、白い何か乗っている。
「なんでしょう、あれ?」
「あれは・・・」
顔を寄せ合い、様子をうかがう私と瑞希お兄ちゃん。
「こちら、気持ちが昂るタイプになります!」
その瞬間、瑞希お兄ちゃんがつぶやく。
「ドラッグか。」
「え!?」
言った本人を見れば、ミクお姉さんは渋い顔をしていた。
「女を紹介する時に、新しいドラックの宣伝もするって聞いていたけど・・・」
「まさか、なずなちゃんで試すというのですか?」
「いいえ、彼女はすでに試されてるわ。慣れてない子を使うよりも、慣らしてる子を使った方が面倒じゃないからね・・・」
それで思い出す。
なずなちゃんも、よくわからない薬を飲まされていたことを。
内心修羅場の中で、司会の男は説明しはじめた。


