彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「体は良いが、顔がなー」

「ブスだから、あれぐらいだろう?」

「あの店、ブス専だっけ?」

「仕入れが楽で良いよな。安上がりだ。」



そんな声が背後からして、思わずにらみかけたが――――



「だめよ。」

「っ!?」

(お兄ちゃん!)

「わかるわね・・・?」

「・・・はい・・・」



後ろから、両手でギュッと抱きしめられる。

動きを止めるように抱かれる。

少しでも変な動きを見せれば目をつけられる。



(特に私なんて、買われる側だもんね・・・)



悶々としていれば、瑞希お兄ちゃんの隣にいる男がしゃべる。



「なぁ、あの中にミクが好きな少年はいるのか?」

「あれで全員なの?あなたって、少年を集めるのが下手なのね~?」

「な!?そんなことねぇーよ!これでも、今回は多い方だ!前はもっと少なかったんだ!」

「へぇーよく増やせたわね~みんなイケメンばっかり。」

「そりゃあ、顔の良い奴だけ店に出してるからな。」

「ブサイクは?」

「ダメな奴は山の中にある工事現場に送る。そっちもまぁまぁ、良い金になる。」



(最低ね・・・!)



そう言ってやりたいけど我慢する。

瑞希お兄ちゃんが、私をきつく抱き寄せたから。



(お兄ちゃんも我慢してる・・・)



まだ動くなって合図だとわかったから堪えた。



「では、3番ちゃんの入札はいりますね~!50万からスタートです!」

「100万!」

「130!」

「200だ!」

「210万!」

「230万でどうだ!」

「おーと、これは接戦ですね~!」



セリが進むにつれ、周囲は盛り上がっていく。



「300!」

「はい、300万円で、3番ちゃんはご落札~!」



値段が決まった女の子達が舞台から降りていく。



「5番ちゃん、泡天国に御落札~!」

「7番君、ボーイズクラブに御落札!」



次々と、落札されていく子供達。



(いつまで、見てればいいの!?もう、動いていいんじゃない!?)



瑞希お兄ちゃんの膝の上、段々とイライラが強くなる。



(助けに入るべきか、瑞希お兄ちゃんに確認したいけど・・・・)



「ミクちゃん、LINE教えてよ。」

「イヤ。」

「インスタグラムでもいいからさ~」

「イヤ。」



(黒木が邪魔で会話ができない・・・!)



作戦の打ち合わせもできない。



〔★ナンパは続いていた★〕