「体は良いが、顔がなー」
「ブスだから、あれぐらいだろう?」
「あの店、ブス専だっけ?」
「仕入れが楽で良いよな。安上がりだ。」
そんな声が背後からして、思わずにらみかけたが――――
「だめよ。」
「っ!?」
(お兄ちゃん!)
「わかるわね・・・?」
「・・・はい・・・」
後ろから、両手でギュッと抱きしめられる。
動きを止めるように抱かれる。
少しでも変な動きを見せれば目をつけられる。
(特に私なんて、買われる側だもんね・・・)
悶々としていれば、瑞希お兄ちゃんの隣にいる男がしゃべる。
「なぁ、あの中にミクが好きな少年はいるのか?」
「あれで全員なの?あなたって、少年を集めるのが下手なのね~?」
「な!?そんなことねぇーよ!これでも、今回は多い方だ!前はもっと少なかったんだ!」
「へぇーよく増やせたわね~みんなイケメンばっかり。」
「そりゃあ、顔の良い奴だけ店に出してるからな。」
「ブサイクは?」
「ダメな奴は山の中にある工事現場に送る。そっちもまぁまぁ、良い金になる。」
(最低ね・・・!)
そう言ってやりたいけど我慢する。
瑞希お兄ちゃんが、私をきつく抱き寄せたから。
(お兄ちゃんも我慢してる・・・)
まだ動くなって合図だとわかったから堪えた。
「では、3番ちゃんの入札はいりますね~!50万からスタートです!」
「100万!」
「130!」
「200だ!」
「210万!」
「230万でどうだ!」
「おーと、これは接戦ですね~!」
セリが進むにつれ、周囲は盛り上がっていく。
「300!」
「はい、300万円で、3番ちゃんはご落札~!」
値段が決まった女の子達が舞台から降りていく。
「5番ちゃん、泡天国に御落札~!」
「7番君、ボーイズクラブに御落札!」
次々と、落札されていく子供達。
(いつまで、見てればいいの!?もう、動いていいんじゃない!?)
瑞希お兄ちゃんの膝の上、段々とイライラが強くなる。
(助けに入るべきか、瑞希お兄ちゃんに確認したいけど・・・・)
「ミクちゃん、LINE教えてよ。」
「イヤ。」
「インスタグラムでもいいからさ~」
「イヤ。」
(黒木が邪魔で会話ができない・・・!)
作戦の打ち合わせもできない。
〔★ナンパは続いていた★〕


