彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「フダ、なくさないように持ってるのよ~蓮君?」

「うん・・・」



思わぬ色っぽさに、首を縦に振れば、よしよしと頭を撫でられた。



(女装お兄ちゃん、思った以上にセクシー!)



「な、なあ、ミク~」

「うるさいわよ。静かにしてくれないと聞こえない。」



そっけなく黒木に返すと、舞台に向ける瑞希お兄ちゃん。

冷たくされつつも、どこか嬉しそうな顔でステージを見る黒木。



(すごいな、瑞希お兄ちゃん・・・)



私だけが、好きな人から目が離せなかった。

私も頑張れば、瑞希お兄ちゃんみたいになれるかな?



〔★凛には不向きだろう★〕



ずっと瑞希お兄ちゃんを見ていたかったが、事態はそうもいかなかった。



「それでは1人目!Gカップの妹系の1番ちゃんです!」



そのアナウンスで我に返る。



(いけない!瑞希お兄ちゃんに見惚れてる場合じゃないわ!)



私の目的は、この悪しき取引現場から家出っ子達を救うこと!



「・・・今は、様子見だからね?」

「!?」



そんな私に、瑞希お兄ちゃんが耳元でささやく。



「合図を待つのよ?」

「・・・はい。」



小声で私に注意を促す。

それで、上がりそうなテンションを下げながらうなずく。



(瑞希お兄ちゃんの言う通り、まだ様子を見る段階・・・)



流行る気持ちを抑えながらステージを見る。

舞台にいる女子の集団の中から、1人少女が数歩前へと歩み出る。

最前席ということで、おびえている表情がよくわかった。

センターの位置に立ったところで、司会者が叫ぶ。



「この子は、10万からのスタートとなります!」



それで隣の席の人を含めた数名が札を上げながら叫ぶ。



「15万!」

「20万!」

「28万!」

「50だ!」

「70万!」



どんどん音がつり上がり、落札希望者も絞られていく。



「160万!それ以上は、いらっしゃいませんか!?」



司会者が会場の客に問いかける。

返事が返ってこないことを確認すると言った。



「では、1番は160万でムチムチショップのお買い上げでーす!」



カンカン!とハンマーを叩く音が響く。

1番の子は、青い顔で自分を買い取った男がいる席へと連れて行かれる。