ミクお姉さんの言葉は、黒木にショックを与え、私を大いに感動させた。
「な・・・なに言ってんだよ!?こんなガキのどこがいいんだ!?」
「母性本能をくすぐられるのよ。思わず守ってあげたいタイプなの!はい、あーん。」
「あ・・・あーん。」
みずみずしいイチゴが口元に来る。
思わず口を開ければ、運ばれたイチゴが舌の上に落ちた。
「美味しい?」
「とっても・・・!」
「ちくしょー!」
(こういうのを、恋の勝者と敗者というのかしら・・・♪)
悔しがる男の隣で、瑞希お兄ちゃんからイチゴをあーん♪されるのは、なかなか気分が良い。
そこへ、何も知らないパシリが帰ってくる。
「あの~ビー玉の入っている瓶ラムネをお持ちしました。」
「ありがとう。蓮ちゃんも飲む?」
「飲みます。」
「こぼさないようにね?」
「はい!」
甲斐甲斐しく、私をお世話してくださる好きな人。
来てよかったぁ~!
(瑞希お兄ちゃんとイチャイチャできて幸せ。)
〔★本来の目的を忘れている★〕
「黒木さん・・・」
「こんな時になんだよ!?」
「ひっ!?すみません!そろそろ、はじまる時間なんですよ・・・!」
「チッ!」
部下の言葉を受け、ミクお姉さんを見ながら言った。
「なあ!せめて名前だけでも教えてくれよ!」
「ミク。」
「ミクか・・・良い名前だな?黒木ミクって、良い響きだと思わないか?」
「坊や、お姉さんにも食べさせてくれる?あーん。」
「は、はい。あーんしてください。」
「あーん。」
「無視すんなよ!?」
「なによ?食べてるのに邪魔する気?」
「そうじゃないが!その、メインイベントが始まるからさ~」
そう言って、ミクお姉さんの肩に手を回した黒木だったけど・・・
「セクハラ。」
「痛!?」
ボスの手を払いのけ、私を抱きなおすミクお姉さん。
「俺に厳しずぎないか!?」
「ショタコンだもん。どんなイベントがあるの?」
「ま、まあ、ステージを見ればわかる。始まるぜ。」
叩かれた手をひっこめた時、室内の照明が暗くなった。


