彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




ミクお姉さんの言葉は、黒木にショックを与え、私を大いに感動させた。



「な・・・なに言ってんだよ!?こんなガキのどこがいいんだ!?」

「母性本能をくすぐられるのよ。思わず守ってあげたいタイプなの!はい、あーん。」

「あ・・・あーん。」



みずみずしいイチゴが口元に来る。

思わず口を開ければ、運ばれたイチゴが舌の上に落ちた。



「美味しい?」

「とっても・・・!」

「ちくしょー!」



(こういうのを、恋の勝者と敗者というのかしら・・・♪)



悔しがる男の隣で、瑞希お兄ちゃんからイチゴをあーん♪されるのは、なかなか気分が良い。

そこへ、何も知らないパシリが帰ってくる。



「あの~ビー玉の入っている瓶ラムネをお持ちしました。」

「ありがとう。蓮ちゃんも飲む?」

「飲みます。」

「こぼさないようにね?」

「はい!」



甲斐甲斐しく、私をお世話してくださる好きな人。

来てよかったぁ~!



(瑞希お兄ちゃんとイチャイチャできて幸せ。)



〔★本来の目的を忘れている★〕



「黒木さん・・・」

「こんな時になんだよ!?」

「ひっ!?すみません!そろそろ、はじまる時間なんですよ・・・!」

「チッ!」



部下の言葉を受け、ミクお姉さんを見ながら言った。



「なあ!せめて名前だけでも教えてくれよ!」

「ミク。」

「ミクか・・・良い名前だな?黒木ミクって、良い響きだと思わないか?」

「坊や、お姉さんにも食べさせてくれる?あーん。」

「は、はい。あーんしてください。」

「あーん。」

「無視すんなよ!?」

「なによ?食べてるのに邪魔する気?」

「そうじゃないが!その、メインイベントが始まるからさ~」



そう言って、ミクお姉さんの肩に手を回した黒木だったけど・・・



「セクハラ。」

「痛!?」



ボスの手を払いのけ、私を抱きなおすミクお姉さん。



「俺に厳しずぎないか!?」

「ショタコンだもん。どんなイベントがあるの?」

「ま、まあ、ステージを見ればわかる。始まるぜ。」



叩かれた手をひっこめた時、室内の照明が暗くなった。