彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




男に引っ張られながら、舞台裏から出る。

連れて行かれたテーブルにあの人がいた。




「坊や!」

「あ・・・!?」

(瑞希お兄ちゃん!!)




黒木とツーショットで座っているのはムカついたが、大好きな瑞希お兄ちゃんがいた。

私を見てホッとする瑞希お兄ちゃんと、ドヤ顔をする半グレのボス・黒木。



「ほら、連れてきたぞ?じゃあ、約束通り~」

「会いたかったわぁ~坊や!さあ、お姉さんの膝の上においで♪」

「へ?」

「はあああ!?何言ってんだよ!?」

「ショタコンだって言ったでしょ?やっぱり、若い子は可愛いわ~」



私を守るようににガードする女装お兄ちゃん。



(な、何の話?)



ショタコンって何??

私がいない間に、何があったの??



〔★凛は事態を飲み込めていない★〕



ミクお姉さんによって、彼女の座らされる。

それを不機嫌そうに見ながらMESSIAHの頭がつぶやく。



「ひどい女だな?」

「だったら退席するわ。この子と一緒にね。」

「それは困る。」



瑞希お兄ちゃんのアゴに、手を添えながら半グレのボスは言った。



「目の前の女神を逃がすほど、俺は間抜けじゃないからな?」



(この人・・・瑞希お兄ちゃんのこと、本当に女性だと思ってるんだ・・・)



熱くささやく相手に呆れる。

そんなことを知らないボスは、かっこつけながら言った。



「なぁ、俺の女にならないか?」

「お断りよ。私、ショタコンだもの。」



即答すると、私を抱きしめるミクお姉さん。

この断わり方もどうかと思う。



〔★相手によっては効果がある★〕



そっけなくするミクお姉さんに、MESSIAHのボスは不満そうにする。



「そいつを呼んだら、俺の願いを聞くって言ったじゃねぇか?」

「だから聞いてるでしょう?聞くだけって約束じゃない。」

「はあ!?そういうことかよ!?」



〔★叶える気はないらしい★〕