男に引っ張られながら、舞台裏から出る。
連れて行かれたテーブルにあの人がいた。
「坊や!」
「あ・・・!?」
(瑞希お兄ちゃん!!)
黒木とツーショットで座っているのはムカついたが、大好きな瑞希お兄ちゃんがいた。
私を見てホッとする瑞希お兄ちゃんと、ドヤ顔をする半グレのボス・黒木。
「ほら、連れてきたぞ?じゃあ、約束通り~」
「会いたかったわぁ~坊や!さあ、お姉さんの膝の上においで♪」
「へ?」
「はあああ!?何言ってんだよ!?」
「ショタコンだって言ったでしょ?やっぱり、若い子は可愛いわ~」
私を守るようににガードする女装お兄ちゃん。
(な、何の話?)
ショタコンって何??
私がいない間に、何があったの??
〔★凛は事態を飲み込めていない★〕
ミクお姉さんによって、彼女の座らされる。
それを不機嫌そうに見ながらMESSIAHの頭がつぶやく。
「ひどい女だな?」
「だったら退席するわ。この子と一緒にね。」
「それは困る。」
瑞希お兄ちゃんのアゴに、手を添えながら半グレのボスは言った。
「目の前の女神を逃がすほど、俺は間抜けじゃないからな?」
(この人・・・瑞希お兄ちゃんのこと、本当に女性だと思ってるんだ・・・)
熱くささやく相手に呆れる。
そんなことを知らないボスは、かっこつけながら言った。
「なぁ、俺の女にならないか?」
「お断りよ。私、ショタコンだもの。」
即答すると、私を抱きしめるミクお姉さん。
この断わり方もどうかと思う。
〔★相手によっては効果がある★〕
そっけなくするミクお姉さんに、MESSIAHのボスは不満そうにする。
「そいつを呼んだら、俺の願いを聞くって言ったじゃねぇか?」
「だから聞いてるでしょう?聞くだけって約束じゃない。」
「はあ!?そういうことかよ!?」
〔★叶える気はないらしい★〕


