彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




怯える子達を順番に抱きしめる。

背を叩き、頭をなでて、優しい言葉をいっぱいかける。



「怖くないですよ。僕がいるから大丈夫です。」

「蓮君・・・!」

「蓮君、あたし達、助かるよね?」

「助かります。だから、僕を信じて下さいね?」

「ありがとう、蓮・・・!」

「俺、蓮のおかげで希望が持てた。」



私の言葉で、みんなが元気を出してくれるなら良い。

なぐさめる甲斐がある。



(なぐさめるのはいいけど・・・きついわ。)



「蓮君。」

「れん君・・・。」

「蓮!」

「蓮くーん。」



(き、きつい・・・・!)



惜しくらまんじゅう状態で密着され、結構きついわ。

だからと言って、すがってくる子達を引き離すことは出来ない。

きついというか・・・うん、これ窮屈なんだわ。



〔★凛はギュウギュウだった★〕



拒むのもかわいそうなので好きにさせていた。

つぶれながらも女の子達に対応していれば、大きな足音が近づいてきた。



「おい、5番!」

「え?」



少年少女の隙間から見えたのは、店員ではなさそうな男。

半グレだとわかる風貌の相手。



(あ、私を連れてきた奴だわ。)



目が合えば、目を吊り上げながら怒鳴った。



「クソガキ、なにハーレム作ってんだ!?」

「わ!?」

「蓮君!?」



みんなを押しのけて、私を家出っ子達から引き離す。



「お呼びだ、来い!」

「僕ですか?」

「そうだよ!テメー可愛い顔して女ったらしかよ!?」

「蓮君!」



なずなちゃんの呼ぶ声。首だけで振り向きながら言った。



「大丈夫です。またあとで!」



笑顔で言えば、頭を叩かれた。



「調子に乗るな、クソガキが!」

「いたぁ~」



(1度なるらずに2度までも・・・後で覚えてなさいよ・・・!)



〔★凛はお仕置きリストに追加した★〕