怯える子達を順番に抱きしめる。
背を叩き、頭をなでて、優しい言葉をいっぱいかける。
「怖くないですよ。僕がいるから大丈夫です。」
「蓮君・・・!」
「蓮君、あたし達、助かるよね?」
「助かります。だから、僕を信じて下さいね?」
「ありがとう、蓮・・・!」
「俺、蓮のおかげで希望が持てた。」
私の言葉で、みんなが元気を出してくれるなら良い。
なぐさめる甲斐がある。
(なぐさめるのはいいけど・・・きついわ。)
「蓮君。」
「れん君・・・。」
「蓮!」
「蓮くーん。」
(き、きつい・・・・!)
惜しくらまんじゅう状態で密着され、結構きついわ。
だからと言って、すがってくる子達を引き離すことは出来ない。
きついというか・・・うん、これ窮屈なんだわ。
〔★凛はギュウギュウだった★〕
拒むのもかわいそうなので好きにさせていた。
つぶれながらも女の子達に対応していれば、大きな足音が近づいてきた。
「おい、5番!」
「え?」
少年少女の隙間から見えたのは、店員ではなさそうな男。
半グレだとわかる風貌の相手。
(あ、私を連れてきた奴だわ。)
目が合えば、目を吊り上げながら怒鳴った。
「クソガキ、なにハーレム作ってんだ!?」
「わ!?」
「蓮君!?」
みんなを押しのけて、私を家出っ子達から引き離す。
「お呼びだ、来い!」
「僕ですか?」
「そうだよ!テメー可愛い顔して女ったらしかよ!?」
「蓮君!」
なずなちゃんの呼ぶ声。首だけで振り向きながら言った。
「大丈夫です。またあとで!」
笑顔で言えば、頭を叩かれた。
「調子に乗るな、クソガキが!」
「いたぁ~」
(1度なるらずに2度までも・・・後で覚えてなさいよ・・・!)
〔★凛はお仕置きリストに追加した★〕


