「お願いだから、目立つことはしちゃダメよ。」
「ご、ごめんなさい・・・」
「怒ってないから、もういいから・・・」
(ホント、凛は真面目だな・・・・)
そこが凛の良いところなんだけどな。
そう思いながら、やわらかい凛の前髪に口づけた。
(ひゃあああああああああああああああ!?ミクお姉さんからもキス、頂きましたぁ――――――――!!)
み、瑞希お兄ちゃんが、人前でチューを!?
私は男で、ミクお姉さんが瑞希お兄ちゃんとは知らないことになってるのに・・・!?
え!?どういうこと!?
これも、瑞希お兄ちゃんのお芝居なの!?
それとも、脈ありって思っていいの!?
〔★凛は混乱している★〕
嬉しさと恥ずかしさと驚きで、硬直し手動けなくなる私。
「ちょっと、大丈夫?」
大丈夫じゃない状態にしたお方が、悩ましい瞳で見つめてくる。
「あ、あの!」
これ以上考えては、思考回路がショートする。
そう思ったので、話題を変えた。
「ミクお姉さんがここにいるということは・・・やっぱり調べがついたからですか・・・?」
「・・・そうよ。ここでMESSIAHが、家出少女達を集めるわかったからね。」
ということは、他の4人の先輩も絡んでる?
だったら、協力してもらった方が良いんじゃないかな?
いやいや!この人はミクさんであって、瑞希お兄ちゃんではない。
烈司さん達のことを口に出すのは危ないわ!
だから、当たり障りがないように聞いた。
「ミクさんは・・・単独で動いてるんですか?」
「え!?・・・仕事の話は出来ないわ。」
「もし、お1人なら・・・協力して、家出っ子達を助けませんか?」
「え?」
迷ったけど、一か八かで提案した。
「僕はあなたの依頼人を知りませんが、会ってるかもしれません。お力になれるかと。」
そう伝えたのだが――――――
「失礼します。」
私達の会話に邪魔が入る。
相手は店員で、こちらを見ながら言った。
「お客様、5番君とのお時間は終了です。」
「「え?」」
予想していなかった言葉に、そろって間抜けな声を出す私達。
〔★終わりは突然やってきた★〕


