彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「お願いだから、目立つことはしちゃダメよ。」

「ご、ごめんなさい・・・」

「怒ってないから、もういいから・・・」



(ホント、凛は真面目だな・・・・)



そこが凛の良いところなんだけどな。

そう思いながら、やわらかい凛の前髪に口づけた。




(ひゃあああああああああああああああ!?ミクお姉さんからもキス、頂きましたぁ――――――――!!)



み、瑞希お兄ちゃんが、人前でチューを!?

私は男で、ミクお姉さんが瑞希お兄ちゃんとは知らないことになってるのに・・・!?

え!?どういうこと!?

これも、瑞希お兄ちゃんのお芝居なの!?

それとも、脈ありって思っていいの!?



〔★凛は混乱している★〕



嬉しさと恥ずかしさと驚きで、硬直し手動けなくなる私。



「ちょっと、大丈夫?」



大丈夫じゃない状態にしたお方が、悩ましい瞳で見つめてくる。



「あ、あの!」



これ以上考えては、思考回路がショートする。

そう思ったので、話題を変えた。



「ミクお姉さんがここにいるということは・・・やっぱり調べがついたからですか・・・?」

「・・・そうよ。ここでMESSIAHが、家出少女達を集めるわかったからね。」



ということは、他の4人の先輩も絡んでる?

だったら、協力してもらった方が良いんじゃないかな?

いやいや!この人はミクさんであって、瑞希お兄ちゃんではない。

烈司さん達のことを口に出すのは危ないわ!



だから、当たり障りがないように聞いた。



「ミクさんは・・・単独で動いてるんですか?」

「え!?・・・仕事の話は出来ないわ。」

「もし、お1人なら・・・協力して、家出っ子達を助けませんか?」

「え?」



迷ったけど、一か八かで提案した。



「僕はあなたの依頼人を知りませんが、会ってるかもしれません。お力になれるかと。」



そう伝えたのだが――――――



「失礼します。」



私達の会話に邪魔が入る。

相手は店員で、こちらを見ながら言った。



「お客様、5番君とのお時間は終了です。」

「「え?」」



予想していなかった言葉に、そろって間抜けな声を出す私達。



〔★終わりは突然やってきた★〕