「いくつなの?」
「・・・15です。」
再度問われ、渋々個人情報をばらす。
相手の女は私を見ながら言った。
「そう。お姉さんの膝の上においで。」
「え?」
膝って、初対面の人の膝に乗れと?
「向かい合わせになるように、座ってちょうだい。」
「えっ!?」
しかも、正面から向かい合うって!?
どうしよう・・・というか。
(このお姉さん、どこかで会ったことがあるような・・・??)
動かない私にしびれを切らしたのか、相手が私をつかんで引き寄せてきた。
「わ!?」
これにより、お姉さんの膝へと着地する体。
それでさらに混乱してしまう私。
(この座り心地の良さ・・・どこかで??)
「あ、あの・・・」
見上げれば、彼女がサングラスをずらす。
目があった時、あ!?と思った。
「あなた!?」
「しー・・・・!声が大きい・・・!」
ニヤリと笑う口元、妖艶な目元。
バッチリお化粧をしてるけど間違いない。
髪型も服装も違うけどあの方だ。
(瑞希お兄ちゃん!?)
女装した好きな人だった。
〔★凛の味方が現れた★〕
女装した瑞希お兄ちゃんと再び会えたことは嬉しかったが、内緒で捜査してるだけに冷や冷やもした。
再会に感謝しつつも、驚きを抑えながら聞いた。
「な、なんでここに!?」
「言う通りにして。」
そう言うなり、私の首筋に顔を埋めてきた。
やわらかい唇がふれてきた。
「ひゃ!?」
びっくりして飛び上がれば、そのままソファーに押し倒された。
「な、な、な・・・!?」
「見られてるから、いちゃついてる演技をしなさい・・・」
耳元でささやかれる。
思わず視線をただよわせれば、隣の席の男女の客がニヤニヤしながら私達を見ていた。
「おい、女から押し倒したぞ。」
「男の子の顔が見えないわね・・・」
「あせるなよ。イチャイチャが始まれば、顔どころか体も丸見えになる・・・」
(ホントだ!なんか観察されてる!?)
〔★のぞきが発生していた★〕


