彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「いくつなの?」

「・・・15です。」



再度問われ、渋々個人情報をばらす。

相手の女は私を見ながら言った。



「そう。お姉さんの膝の上においで。」

「え?」



膝って、初対面の人の膝に乗れと?



「向かい合わせになるように、座ってちょうだい。」

「えっ!?」



しかも、正面から向かい合うって!?

どうしよう・・・というか。



(このお姉さん、どこかで会ったことがあるような・・・??)



動かない私にしびれを切らしたのか、相手が私をつかんで引き寄せてきた。



「わ!?」



これにより、お姉さんの膝へと着地する体。

それでさらに混乱してしまう私。



(この座り心地の良さ・・・どこかで??)



「あ、あの・・・」



見上げれば、彼女がサングラスをずらす。

目があった時、あ!?と思った。




「あなた!?」

「しー・・・・!声が大きい・・・!」




ニヤリと笑う口元、妖艶な目元。

バッチリお化粧をしてるけど間違いない。

髪型も服装も違うけどあの方だ。




(瑞希お兄ちゃん!?)




女装した好きな人だった。



〔★凛の味方が現れた★〕



女装した瑞希お兄ちゃんと再び会えたことは嬉しかったが、内緒で捜査してるだけに冷や冷やもした。

再会に感謝しつつも、驚きを抑えながら聞いた。



「な、なんでここに!?」

「言う通りにして。」



そう言うなり、私の首筋に顔を埋めてきた。

やわらかい唇がふれてきた。



「ひゃ!?」



びっくりして飛び上がれば、そのままソファーに押し倒された。



「な、な、な・・・!?」

「見られてるから、いちゃついてる演技をしなさい・・・」



耳元でささやかれる。

思わず視線をただよわせれば、隣の席の男女の客がニヤニヤしながら私達を見ていた。



「おい、女から押し倒したぞ。」

「男の子の顔が見えないわね・・・」

「あせるなよ。イチャイチャが始まれば、顔どころか体も丸見えになる・・・」


(ホントだ!なんか観察されてる!?)



〔★のぞきが発生していた★〕