「お前ら、うるせぇぞ!ちあき、今度はなにで騒いでる!?」
ドアが開き、私を連れてきた男が顔を出す。
途端に、ちあきは甘ったるい声で言った。
「たむちゃーん、この新入り怪しいよぉ!なずなの知り合いだっていうんだ!」
「なに?」
まずい。
(嗅ぎまわられては厄介ね・・・!)
そう思ったので、間を置かずに即答した。
「そうです。なずなさんとは、家出ネットワークで知り合いました。」
「なんだ、そりゃ?」
「神待ちサイトの1つです。ご存じですよね?」
「知るかよ!」
私の問いに面倒くさそうに男は言う。
「とにかく騒ぐな!」
「ちょっと!こいつを調べないのかよ!?なずなを連れ戻しに来たのかもしれないじゃん!?」
「そうだとしても、そのチビガキに何ができるんだよ?つーか、お前こそ、そのガキいじめてんじゃねぇぞ!商品に傷つけるなよ、ちあき!」
「なんだよそれ!?」
「キレるなよ。それより、ちょっと来いよ。あれやるからさ。」
「マジで!?行く行く!」
男の言葉で、機嫌を直すちあきという子。
私から手を離すと、部屋から出て行ってしまった。
「・・・なんなんですか?」
(やけに、MESSIAHに対して協力的ね・・・)
あっさりと部屋から出れたことにも気になった。
そんな私になずなちゃんが言う。
「あの子、見張り役なのよ。」
「見張り役?」
「元々は、自分で売春グループを作って客を集めてたんだけど・・・それを黒木さんがスカウトしたの。」
「自分でって・・・あの子も未成年じゃないですか!?」
「そうだよ。彼女は、自分の意志で自分を売ってたの。それに抵抗がないんじゃない?」
「君は違うよね?」
「え?」
監視役がいなくなったので聞いた。


