「本当にやめてください!だめですよ!やめてく・・・」
「ああああああああ!くすり!くすりぃー!ああああ!!」
「ちょ・・・」
「あぐううう、あああ!」
(言葉が通じない!?)
そうとしか思えない反応。
「言っても無駄だよ!」
そう言いながら、私と一緒に坂口さんを抑えてくれるなずなちゃん。
「もう言葉が通じなくなってるから!力で抑えなきゃ、この子も私達も怪我しちゃうから!」
(そんな・・・)
それで本当にダメなんだと思う。
会話ができないのだと・・・。
「くるしい!あああ!たすけて!くすり・・・たすけて!」
そう訴える坂口さんが哀れになる。
「うるせぇ!早く黙らせろ!」
ドアを蹴り飛ばされる。
外からの苦情に、他の女の子達がおびえる。
(このままじゃ、全員がパニックを起こす・・・)
なによりも、坂口さんの苦しむ姿をこれ以上は見ていられなかった。
被害を大きくしないためにも動いた。
「ごめん!」
一言詫びてから、暴れる彼女の急所に拳を叩き込んだ。
ドス!
「うっ!?」
それで坂口さんの動きは止まった。
糸が切れた操り人形のように、その体が崩れ落ちた。
「な、なにしたの!?」
「気絶させました。」
驚くなずなちゃんの問いに、静かに答えた。
「力で抑えなきゃ、みんな、怪我するんですよね?」
「あ・・・そう、だね・・・」
それで部屋の中は静かになる。
「やっと静かになったのかよ!?」
「もう騒ぐなよ!」
扉が蹴られる音に続き、男達の下品な声が響く。
それを不快に感じながら、意識を失った坂口さんを静かに寝かせる。


