彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




作戦会議は、段ボールのお家で行われた。



「早かったな、チョコ。」

「いえ、お待たせしてはいけないと思いまして。みなさん、今日はよろしくお願いします。」

「この子がチョコちゃんか?よろしくな。」

「礼儀正しい子だなぁ~」

「いつも飯をありがとよ!」

「弁当も菓子も飲み物もありがてぇ!」

「すれてないな?」

「そうだよな。ヤンキーって聞いてたけど、それっぽくないな。」

「服装も控えめだしよ~」



(そう見せてるだけですよ。)



出迎えてくれた丸山さんやホームレスさん達の言葉に、心の中で苦笑いする。



〔★そう思ってるのは本人だけだ★〕



本日の衣装は、モニカちゃんが用意してくれたパトロール服。

アンダーシャツの上から、モニカちゃんが作ってくれたパトロール用のTシャツを着る。

背中には『パトロール』の文字が目立つ位置にプリントされていた。

でも、実際に目立っていたのは別のもの。

カッコいい龍と星と、ローマ字で刺繍された『RYUSEIGUN(龍星軍)』の文字の方が印象的だった。

そんな背中を隠すために、これまたモニカちゃんお手製の半そでジャケットを着ていた。

今はまだ、切り札を見せる時ではない。



「それでは始めましょうか?」

「ああ。確認になるが、これが、奴らが使ってる施設・たまり場についてだ。」



私の言葉に合わせて、丸山さんが大きな地図を広げる。

つなぐが本屋さんで買った地元の地図には、赤い印がたくさんついていた。

それに丸山さん達が書き込みをしてくれた。



〔★自腹である★〕