東山高校の図書館は広かった。
(あゆみが丘学園よりは小さいけど・・・キレイな本が多いわ。)
図書館には、同じような目的の学生が集まっていたが、私達を見ていっせいに離れていった。
姿を見ると逃げるので、人目につかない一番奥の席に座った。
「はじめましょう。進み具合の遅い人は誰ですか?」
「悠斗だろう。」
「バラすなよ、カンナ!」
「図書館では静かにして下さい。悠斗君は、物理でつまずいてんですね・・・」
「うるせぇよ。」
「ここの問題は、教科書を使った方が良いですよ。教科書は?」
「持ってねぇよ。つーか、お前に教えてもらわなくても良い。」
「それなら、あたしを教えてくれよ、凛。この公式ってのがわかんないんだ。」
「いいですよ、カンナさん。」
「はあ!?だったら、俺が教えてもらう!カンナは小林に聞けよ!」
「あん?凛に教えてもらうのは嫌だったんじゃねぇのか、悠斗?」
「だからって、カンナが凛道にならうのは~!女なら女がいいだろう!?」
「涼子ちゃん、数学はどうですか?」
「大丈夫です。」
「じゃあ、女の子同士で教え合って下さいね。」
「リンリン~俺の方がつまずいてる系!科学を助けてー」
「あ、科学なら久美子ちゃんが得意で・・・」
「涼子!」
「え?そうなんですか?佐藤さんすごいですね。お願いしましょうよ、ちーちゃん。」
「その笑顔で言うのは反則系!じゃあ、お友達ちゃん、教えてプリーズ。」
「うっ・・・わ。わかりました・・・」
誘ってよかった。
涼子ちゃんのお友達の佐藤さん。
〔★佐藤さんの表情は良くない★〕


