彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




東山高校の図書館は広かった。



(あゆみが丘学園よりは小さいけど・・・キレイな本が多いわ。)



図書館には、同じような目的の学生が集まっていたが、私達を見ていっせいに離れていった。

姿を見ると逃げるので、人目につかない一番奥の席に座った。



「はじめましょう。進み具合の遅い人は誰ですか?」

「悠斗だろう。」

「バラすなよ、カンナ!」

「図書館では静かにして下さい。悠斗君は、物理でつまずいてんですね・・・」

「うるせぇよ。」

「ここの問題は、教科書を使った方が良いですよ。教科書は?」

「持ってねぇよ。つーか、お前に教えてもらわなくても良い。」

「それなら、あたしを教えてくれよ、凛。この公式ってのがわかんないんだ。」

「いいですよ、カンナさん。」

「はあ!?だったら、俺が教えてもらう!カンナは小林に聞けよ!」

「あん?凛に教えてもらうのは嫌だったんじゃねぇのか、悠斗?」

「だからって、カンナが凛道にならうのは~!女なら女がいいだろう!?」

「涼子ちゃん、数学はどうですか?」

「大丈夫です。」

「じゃあ、女の子同士で教え合って下さいね。」

「リンリン~俺の方がつまずいてる系!科学を助けてー」

「あ、科学なら久美子ちゃんが得意で・・・」

「涼子!」

「え?そうなんですか?佐藤さんすごいですね。お願いしましょうよ、ちーちゃん。」

「その笑顔で言うのは反則系!じゃあ、お友達ちゃん、教えてプリーズ。」

「うっ・・・わ。わかりました・・・」



誘ってよかった。

涼子ちゃんのお友達の佐藤さん。



〔★佐藤さんの表情は良くない★〕