彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「はあ!?不良が図書館でお勉強しろってんのか!?」

「俺ギャル男だもーん!リンリン、家庭教師して~」

「別にいいですけど・・・」

「いいのかよ!?」

「凛君、部外者じゃんか?」

「赤木に見つかると厄介だぞ?」

「あいつなら、部活の遠征でいないぞ。凛が狙われる心配はねぇ。」



秀君と悠斗君にカンナさんがさらりと言う。



「つーか、凛がいてくれたら、あたしも助かるし。」

「そ、そんな!カンナぁぁ~!」

「だよねぇ~カンナっち!リンリン、図書館行こう~!眼鏡ちゃんもおいでよ!」

「え?わ、私は・・・」



このやり取りを見つめていた一般人に声をかけるち-ちゃん。



「リンリンの彼女候補ならいい系でしょ!?」

「友達ですよ、ちーちゃん!無理に誘っちゃダメだよ?涼子ちゃんにも予定があるし。」

「あ・・・私・・・大丈夫、ですよ?」

「え?いいの?」



思わず聞き返せば、少しだけ頬の赤い涼子ちゃんがうなずく。



「いいの、涼子ちゃん?」

「うん。」

「はあ!?つーか、オメーみたいな真面目ちゃんは宿題終わってるだろう!?成績優秀な優等生が!」

「そうなの、カンナさん?だったら、家庭教師役をしてもらえませんか?女の子に教えてもらう方が、士気も上がりますから。」

「おい、勝手に凛が決めるなよ。小林の話も聞いてやらないと~」

「私、やります!」

「いいのかよ!?」

「い、いいです、高千穂さん!私でよければ、家庭教師役しますから・・・」

「ありがとう、涼子ちゃん!すごく助かります!」

「そんな・・・凛君には助けてもらってばかりだから、私―――――」

「涼子!どこ―――!?」



涼子ちゃんの言葉に、別の声が重なる。

それに涼子ちゃんは反応して声を上げた。



「あ、久美子ちゃん!」

「涼子!よかった、無事だった・・・いや、無事じゃない!?」

「あ、涼子ちゃんのお友達の佐藤さん。」



いたのは、涼子ちゃんのお友達。

私を見た瞬間、佐藤さんは大きく目を見開いた。