「凛さん、その女は・・・」
「あ、涼子ちゃんです。覚えてますよね?」
「・・・ご無沙汰してます。小林です。」
「・・・ああ。高千穂達のクラスメートで、JAGUARの時のか。」
「あの時はびっくりしましたよ~涼子ちゃん、ご家族にはばれませんでしたか?」
「う、うん。おかげ様で・・・大丈夫でした。」
「それはよかったです。」
「すいません、凛さん・・・・・ちょっといいですか?」
「可児君?」
「ちょっと、こちらへ・・・。」
涼子ちゃんを見た後で、私をみんなから引き離す可児君。
ある程度、離れた場所・・・木陰まで連れてこられる。
みんなから距離を取ったということは・・・内緒話でもあるのかな?
「どうしたんですか?」
「俺のセリフです。」
聞いたら、難しそうな顔で聞かれた。
「凛さんは・・・・小林涼子とは・・・仲がいいんですか?」
「友達ですから。」
「そうすか・・・。できれば、高千穂の前で親しくするのは、控えて下さいね?」
「なぜです?」
「なぜって・・・高千穂にピアスをやったんでしょう?」
「そうですが?」
「だったら、ナンパな真似はしないでくださいよ・・・!愛してるんでしょう?」
「ええ、瑞希お兄ちゃんを愛してます。」
「誰が兄弟愛について語りましたか!?」
〔★凛が語る愛はそれだけだ★〕
「おい!なにコソコソしてんだよ、可児!?凛と何話してんだ!?」
「うるせぇ、高千穂!なんでもねぇよ!とにかく・・・しっかりしてくださいね、凛さん。長谷部だって、高千穂を気にしてんですからね?」
「はあ・・・?」
(気にしてるって・・・なにを??)
可児君に念押しされ、聞こうと思った時には、みんなの元へと戻されていた。
帰還した私に、カンナさんが周囲を見渡しながら言った。


