彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「凛さん、その女は・・・」

「あ、涼子ちゃんです。覚えてますよね?」

「・・・ご無沙汰してます。小林です。」

「・・・ああ。高千穂達のクラスメートで、JAGUARの時のか。」

「あの時はびっくりしましたよ~涼子ちゃん、ご家族にはばれませんでしたか?」

「う、うん。おかげ様で・・・大丈夫でした。」

「それはよかったです。」

「すいません、凛さん・・・・・ちょっといいですか?」

「可児君?」

「ちょっと、こちらへ・・・。」



涼子ちゃんを見た後で、私をみんなから引き離す可児君。

ある程度、離れた場所・・・木陰まで連れてこられる。

みんなから距離を取ったということは・・・内緒話でもあるのかな?



「どうしたんですか?」

「俺のセリフです。」



聞いたら、難しそうな顔で聞かれた。



「凛さんは・・・・小林涼子とは・・・仲がいいんですか?」

「友達ですから。」

「そうすか・・・。できれば、高千穂の前で親しくするのは、控えて下さいね?」

「なぜです?」

「なぜって・・・高千穂にピアスをやったんでしょう?」

「そうですが?」

「だったら、ナンパな真似はしないでくださいよ・・・!愛してるんでしょう?」

「ええ、瑞希お兄ちゃんを愛してます。」

「誰が兄弟愛について語りましたか!?」



〔★凛が語る愛はそれだけだ★〕



「おい!なにコソコソしてんだよ、可児!?凛と何話してんだ!?」

「うるせぇ、高千穂!なんでもねぇよ!とにかく・・・しっかりしてくださいね、凛さん。長谷部だって、高千穂を気にしてんですからね?」

「はあ・・・?」


(気にしてるって・・・なにを??)



可児君に念押しされ、聞こうと思った時には、みんなの元へと戻されていた。

帰還した私に、カンナさんが周囲を見渡しながら言った。