「そーっすね!けど・・・小林とうちの凛はお友達らしいんで、あんまり誤解されるようなことしない方が良いっすよ?」
「お、お友達だぁ!?」
「そうだったよな、凛?」
「そうです。」
「凛君!?」
涼子ちゃんを抱き寄せた姿を見せながら言った。
「涼子をいじめたら、俺があんたらを消す。」
「り・・・凛君。」
「俺が涼子ちゃんと関わるのは、涼子ちゃんが好きだからだ。みんなにも、そう伝えてもらえる?いじめたら、100倍返しするから・・・!」
そんなにひどいことは言ってないのに、3人はショックを受けている顔をする。
「わかりましたよね?返事は?」
「「「は・・・はい・・・」」」
「それでは、さようなら。」
「う、うう!ひどい・・・」
「ちくしょぉ・・・」
「ありえない・・・!」
ひらひらと手をふれば、あっという間に私達から離れていく先輩達。
何か言っていたかもしれないけど関係ない。
姿が見えなくなったところで、メガネの友達が言った。
「ごめんなさい、凛君・・・・」
「涼子ちゃん。」
落ち込む彼女を見ながら聞いた。
「僕のこと、本当は苦手だったりしますか?」
「そんなことない!」
即答され、ホッとした。
しかし、目が合うと気まずそうに視線をそらされる。
「そう言ってもらえて嬉しいけど・・・無理してませんか?」
「違う、違います!私、本当に・・・」
「今みたいなこと、今日が初めてなの?」
「・・・。」
「涼子ちゃん。」
「・・・・・・・・前にもあったの。」
絞り出すように彼女はしゃべる。
「・・・・凛君と仲良くするとよくないって言われて・・・。」
「確かに僕は評判悪いですけど・・・」
「そうじゃないです!!」
小さかった声が大きくなる。びっくりして彼女を見れば、驚くような発言をしてきた。
「凛君、すごく人気があるんです!」
「に・・・人気?」
「だから・・・アイドルみたいに、みんな思ってて・・・」
「いや、芸能活動はしてないですよ?」
「たとえ話よ!それぐらい人気だから・・・私が先輩方に呼び出されても、仕方ないと思います。ただ・・・彼女達の言い分も、正しいと思えたから・・・」
「なんで!?」
あんなこと言う人達のどこが正しいの?
「硬派な不良と、地味な一般人が一緒にいるのって・・・・不釣り合いだって・・・」
「え?」
不釣り合い・・・
(―――――――――あ!?)
その単語で思い出した。


