彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「そーっすね!けど・・・小林とうちの凛はお友達らしいんで、あんまり誤解されるようなことしない方が良いっすよ?」

「お、お友達だぁ!?」

「そうだったよな、凛?」

「そうです。」

「凛君!?」



涼子ちゃんを抱き寄せた姿を見せながら言った。



「涼子をいじめたら、俺があんたらを消す。」

「り・・・凛君。」

「俺が涼子ちゃんと関わるのは、涼子ちゃんが好きだからだ。みんなにも、そう伝えてもらえる?いじめたら、100倍返しするから・・・!」



そんなにひどいことは言ってないのに、3人はショックを受けている顔をする。



「わかりましたよね?返事は?」

「「「は・・・はい・・・」」」

「それでは、さようなら。」

「う、うう!ひどい・・・」

「ちくしょぉ・・・」

「ありえない・・・!」



ひらひらと手をふれば、あっという間に私達から離れていく先輩達。

何か言っていたかもしれないけど関係ない。

姿が見えなくなったところで、メガネの友達が言った。



「ごめんなさい、凛君・・・・」

「涼子ちゃん。」



落ち込む彼女を見ながら聞いた。



「僕のこと、本当は苦手だったりしますか?」

「そんなことない!」



即答され、ホッとした。

しかし、目が合うと気まずそうに視線をそらされる。



「そう言ってもらえて嬉しいけど・・・無理してませんか?」

「違う、違います!私、本当に・・・」

「今みたいなこと、今日が初めてなの?」

「・・・。」

「涼子ちゃん。」

「・・・・・・・・前にもあったの。」



絞り出すように彼女はしゃべる。



「・・・・凛君と仲良くするとよくないって言われて・・・。」

「確かに僕は評判悪いですけど・・・」

「そうじゃないです!!」



小さかった声が大きくなる。びっくりして彼女を見れば、驚くような発言をしてきた。



「凛君、すごく人気があるんです!」

「に・・・人気?」

「だから・・・アイドルみたいに、みんな思ってて・・・」

「いや、芸能活動はしてないですよ?」

「たとえ話よ!それぐらい人気だから・・・私が先輩方に呼び出されても、仕方ないと思います。ただ・・・彼女達の言い分も、正しいと思えたから・・・」

「なんで!?」



あんなこと言う人達のどこが正しいの?



「硬派な不良と、地味な一般人が一緒にいるのって・・・・不釣り合いだって・・・」

「え?」



不釣り合い・・・



(―――――――――あ!?)



その単語で思い出した。