彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「り、凛君!どうしー」

「どうしたの、涼子ちゃん?」



ヤンキー女を押しのけ、友達の元へ行く。

肩に手を置けば、その身体はふるえていた。



(いつからとり囲まれてたんだろう・・・)



「大丈夫?いじめられてたの?」

「あ・・・えっと、違うの!先輩達は・・・」

「へえー先輩なの?涼子ちゃんの?」



目を細めて、ヤンキー女達を見る。

言われてみれば、上履きの色が違っていた。



(涼子ちゃんは違うと言ったけど・・・・)



あのやり取り、いじめじゃないわけない。



「君達さ。」

「ま、まじで本物っすか!?」

「リアル、凛道蓮さん!?」

「きゃあー!?凛道蓮さーん!?」



話しかけようとしたら、3人がうわずった声を出す。

さっきよりも、2つぐらいトーンの高い声で言ってきた。



「あ、あたし、ファンなんです、凛道さん!ナンバーワンヤンキーの凛道さんに会えて感激ですぅ!」

「はじめましてぇ~!よかったら、一緒に記念に写真を!凛道さんとインスタグラム良いっすか!?」

「つーか、カラオケとかどうっすかぁ!?凛道さんの歌声聞きたいっす!」

「は?」



顔を赤くしながら、なにやらしゃべり始める女ども。



「つーか、何で東山の制服っすか!?同じ学校・・・だったんすか!?」

「マジ可愛い!いや、カッコいいんすけど、ギャップ萌えがヤバい!」

「バリオスに乗ってるんですよね!?今日も、トンファー持ってるんですか!?ガチで応援してるんですよぉ!」

「そうですか。」



ハッキリ言って、こいつらの言うことなんかどうでもいい。



「君達、僕の大事な小林涼子ちゃんに何してたの?」

「え?」

「「「だ、大事な!?」」」



驚く女子4人にうなずいてみせる。



「そうですよ。こんな校舎の裏なんかで仲良くおしゃべり・・・なんてイメージはないからね。現に、涼子ちゃんを怒鳴ってた会話、全部聞いてたぞ・・・!?」



最後の語尾を強めれば、女達の顔が青くなる。

しかしそんなこと、私にはどうでもいい。

大事なのは、こちらの質問に答えるかどうか。