「り、凛君!どうしー」
「どうしたの、涼子ちゃん?」
ヤンキー女を押しのけ、友達の元へ行く。
肩に手を置けば、その身体はふるえていた。
(いつからとり囲まれてたんだろう・・・)
「大丈夫?いじめられてたの?」
「あ・・・えっと、違うの!先輩達は・・・」
「へえー先輩なの?涼子ちゃんの?」
目を細めて、ヤンキー女達を見る。
言われてみれば、上履きの色が違っていた。
(涼子ちゃんは違うと言ったけど・・・・)
あのやり取り、いじめじゃないわけない。
「君達さ。」
「ま、まじで本物っすか!?」
「リアル、凛道蓮さん!?」
「きゃあー!?凛道蓮さーん!?」
話しかけようとしたら、3人がうわずった声を出す。
さっきよりも、2つぐらいトーンの高い声で言ってきた。
「あ、あたし、ファンなんです、凛道さん!ナンバーワンヤンキーの凛道さんに会えて感激ですぅ!」
「はじめましてぇ~!よかったら、一緒に記念に写真を!凛道さんとインスタグラム良いっすか!?」
「つーか、カラオケとかどうっすかぁ!?凛道さんの歌声聞きたいっす!」
「は?」
顔を赤くしながら、なにやらしゃべり始める女ども。
「つーか、何で東山の制服っすか!?同じ学校・・・だったんすか!?」
「マジ可愛い!いや、カッコいいんすけど、ギャップ萌えがヤバい!」
「バリオスに乗ってるんですよね!?今日も、トンファー持ってるんですか!?ガチで応援してるんですよぉ!」
「そうですか。」
ハッキリ言って、こいつらの言うことなんかどうでもいい。
「君達、僕の大事な小林涼子ちゃんに何してたの?」
「え?」
「「「だ、大事な!?」」」
驚く女子4人にうなずいてみせる。
「そうですよ。こんな校舎の裏なんかで仲良くおしゃべり・・・なんてイメージはないからね。現に、涼子ちゃんを怒鳴ってた会話、全部聞いてたぞ・・・!?」
最後の語尾を強めれば、女達の顔が青くなる。
しかしそんなこと、私にはどうでもいい。
大事なのは、こちらの質問に答えるかどうか。


