彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




(え!?なに!?ケンカ!?・・・・とは思えない!)



だって、涼子ちゃんを囲んでいる女は見た目が怖い。

あきらかにヤンキーだった。

はやる気持ちを抑えながら、そっと彼女達に近づく。

距離が縮まるにつれ、その会話が聞こえてきた。



「お前が、凛道さんと一緒にいたのを見たっていうやつがいるんだよ!」

「1年坊の、地味なお前が何で凛道さんにからんでんだよ!?」

「凛道さんに迷惑かけんなよ!?」



(・・・え?私こと、話してる??)



嫌な予感を覚えつつも、気配を消して近寄る。



「何とか言えよ!」

「わ・・・私は、凛君に・・・」

「凛君だと!?馴れ馴れしいだよブス!」

「女に優しい凛道さんの性格利用するなよ、隠れヤリマンが!!」

「簡単に凛道さんの名前を呼ぶな、殺すぞ!?」



なんでそうなったのか・・・



(聞く限り、私が原因で涼子ちゃんが責められてるような・・・? )



「凛道蓮が、お前となれ合うと思ってんのか!?」



(いや、この場合、私が原因なのね?)



釈然としなかったが言った。




「そうですね。」




盛り上がっているところで修正をかけた。




「なれ合うじゃなくて、僕が仲良くしてもらってるからね。」

「え!?」

「「「なっ!?」」」




私の声に反応して振り返ったので聞いた。




「お前ら、涼子ちゃんになにしてんだ?」

「凛君!?」

「「「えっ!?り、凛道蓮、さん!?」」」




突然声をかけたせいか、みんなすごく驚いていた。

大声で脅かしたわけじゃないけど・・・いきなりだと、普通の声でも驚くのね。



〔★それだけではないだろう★〕