かけなおしてみるが、つながらない。
「仕方ない・・・待とうか・・・」
怒るを通り越して、呆れてしまった。
息を吐きながら、塀にもたれかかっていた体を起こす。
太陽の位置が高くなってきたせいで、体が熱くなっていた。
(ちーちゃんが来るまで時間はかかる。それまで、どこか涼しくて座れる場所はないかな?)
ここだと暑いし、のどが渇く。
なにか飲み物でも買おうかな?
自動販売機、どこにあるかな?
そんな思いで、移動しようとした時だった。
「何とか言えよ、小林!!!」
「わ!?」
意外と近くから、罵声が聞こえた。
「え・・・!?『小林』・・・??」
―凛君。―
私の中の小林さんが頭に浮かぶ。
「まさか涼子ちゃんじゃ・・・」
いやいや、小林はよくある苗字。
(他の人かもしれないけど・・・)
「シカトかよ!なんか言えよ!」
「ムカつくんだよ!」
「下向くな、ボケ!こっち見ろ!」
「・・・・・・もめてるのは確かだよね?」
暑いからイライラしてるのかもしれない。
それで大声を出してるかもしれないけど・・・・
「気になるな・・・」
聞えてきた内容が、キツかったので気になった。
部外者ということで抵抗があったけど、無視する気になれなかった。
少し迷ったけど、東山高校の敷地に入る。
覗き込んで、キョロキョロしてみる。
「あれ・・・?」
目に飛び込んできたのは、女子生徒の姿。
派手な3人の女子が、1人の女の子を取り囲んでいた。
その1人に、見覚えがあった。
「涼子ちゃん!?」
友達の小林涼子ちゃんだった。
(さっきの小林は、涼子ちゃんのことだったんだ!)
〔★知ってる小林さんだった★〕


