「来ないな・・・。」
約束の時間はきてるのに来ない。
時々、学生が通るが、その中にちーちゃんの姿はない。
ただでさえ人が少ない裏門で、イライラしながら待つ。
しかし、だんだんとその気持ちは変わっていく。
(なにかあったのかな・・・?)
不安になってくる。
ちーちゃんが、約束をやぶるとは思えない。
今までの経験を振り替えり、チャラオへと電話をする。
プルル、プルル・・・
(出ないな・・・)
呼び出し音を聞きながら不安がつのる。
(まさか、悠斗君や秀君の時みたいに、誘拐されたとかないよね・・・?)
そんな思いで待てば、通話音が途切れた。
〈・・・はい?〉
「あ、もしもし、ちーちゃん?」
(よかった!いた!!)
最悪の事態を考えたが、それは回避された。
〈リンリン?〉
「そうですよ。今どこですか?」
〈今、家。〉
「家ぇ!?」
〈リンリンのTELで起きた的な~ありがとぉ~〉
「目覚ましじゃないんですよ!?」
〔★モーニングコールだ★〕
眠そうな声を聞いてガックリくる。
(寝坊かよ・・・!)
心配して損した。
予想していたのとは違ったが、悪い展開ではあった。
「約束した時間に起きてどうするんです?僕との約束はもちろん、完全に学校にも遅刻じゃないですか?」
〈ごっめーん!今からマッハで頑張る系~待ってて!〉
ブツン!
「え?」
切れた?
「え・・・?」
こちらの返事を待たずして、一方的に電話を切ってしまったちーちゃん。
「ちょ・・・寝坊しといてそれはないでしょう!?」
〔★待ちぼうけが延長された★〕


