彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「来ないな・・・。」



約束の時間はきてるのに来ない。

時々、学生が通るが、その中にちーちゃんの姿はない。

ただでさえ人が少ない裏門で、イライラしながら待つ。

しかし、だんだんとその気持ちは変わっていく。



(なにかあったのかな・・・?)



不安になってくる。

ちーちゃんが、約束をやぶるとは思えない。

今までの経験を振り替えり、チャラオへと電話をする。



プルル、プルル・・・

(出ないな・・・)



呼び出し音を聞きながら不安がつのる。



(まさか、悠斗君や秀君の時みたいに、誘拐されたとかないよね・・・?)



そんな思いで待てば、通話音が途切れた。



〈・・・はい?〉

「あ、もしもし、ちーちゃん?」

(よかった!いた!!)



最悪の事態を考えたが、それは回避された。



〈リンリン?〉

「そうですよ。今どこですか?」

〈今、家。〉

「家ぇ!?」

〈リンリンのTELで起きた的な~ありがとぉ~〉

「目覚ましじゃないんですよ!?」



〔★モーニングコールだ★〕



眠そうな声を聞いてガックリくる。



(寝坊かよ・・・!)



心配して損した。

予想していたのとは違ったが、悪い展開ではあった。



「約束した時間に起きてどうするんです?僕との約束はもちろん、完全に学校にも遅刻じゃないですか?」

〈ごっめーん!今からマッハで頑張る系~待ってて!〉



ブツン!

「え?」



切れた?



「え・・・?」



こちらの返事を待たずして、一方的に電話を切ってしまったちーちゃん。



「ちょ・・・寝坊しといてそれはないでしょう!?」



〔★待ちぼうけが延長された★〕