「凛、東山高校に行くのか?」
「はい。」
瑞希お兄ちゃんの隣に戻りながら答える。
「ちーちゃんに夏休みの宿題を届けないと。」
「それで、凛『が』届けるのか?」
「そうですが?」
「凛たん面倒見がいいなぁ~」
「来させればいいだろう、凛道。」
「凛ちゃんが総長なのにー」
「わははは!パシられてどうすんだよ~!?」
「パシるって・・・ちーちゃん徹夜で寝てないんですよ?寝かせてあげないとかわいそうです。」
「凛は優しいな・・・。」
「瑞希お兄ちゃんの方が優しいです。」
「あ!?だったら凛ちゃんに、あれを着せるチャンスじゃない!?」
「モニカちゃん?」
そう言って立ち上がると、いそいそと階段をかけあがって行くモニカちゃん。
「着せるって・・・?」
「わりぃ、付き合ってやってくれ。」
私の肩を叩きながら苦笑いする瑞希お兄ちゃん。
そう言われちゃ、断れませんよぉ~!
これが惚れた弱みというやつね♪
程なくして、ドタバタと足音を響かせながらモニカちゃんが帰ってきた。
「凛ちゃん!東山高校に行くなら、これを着ていきなさい!」
「これは・・・」
もどってきたモニカちゃんが持っていたのは――――――
「ジャ、ジャーン!!モニカちゃん特製の制服よん!」
男子学生服。
「モニカちゃん、凛ちゃんのためにオリジナル制服を作ったの~!」
「オリジナル制服?」
そう言って渡されたのは、見覚えのある制服。
「なんか、東山高校の制服に似てますね・・・」
「東山の制服だもん。」
「え!?それって、まずくないですか?」
生徒じゃないのに、着るのはよくないんじゃ・・・?
「平気よ。何か言われたら、コスプレしてるって言えばいいんだから。」
「それでいいの!?」
〔★モニカは知恵をさずけた★〕


