彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「凛、東山高校に行くのか?」

「はい。」



瑞希お兄ちゃんの隣に戻りながら答える。



「ちーちゃんに夏休みの宿題を届けないと。」

「それで、凛『が』届けるのか?」

「そうですが?」

「凛たん面倒見がいいなぁ~」

「来させればいいだろう、凛道。」

「凛ちゃんが総長なのにー」

「わははは!パシられてどうすんだよ~!?」

「パシるって・・・ちーちゃん徹夜で寝てないんですよ?寝かせてあげないとかわいそうです。」

「凛は優しいな・・・。」

「瑞希お兄ちゃんの方が優しいです。」

「あ!?だったら凛ちゃんに、あれを着せるチャンスじゃない!?」

「モニカちゃん?」



そう言って立ち上がると、いそいそと階段をかけあがって行くモニカちゃん。



「着せるって・・・?」

「わりぃ、付き合ってやってくれ。」



私の肩を叩きながら苦笑いする瑞希お兄ちゃん。



そう言われちゃ、断れませんよぉ~!

これが惚れた弱みというやつね♪



程なくして、ドタバタと足音を響かせながらモニカちゃんが帰ってきた。



「凛ちゃん!東山高校に行くなら、これを着ていきなさい!」

「これは・・・」



もどってきたモニカちゃんが持っていたのは――――――



「ジャ、ジャーン!!モニカちゃん特製の制服よん!」



男子学生服。



「モニカちゃん、凛ちゃんのためにオリジナル制服を作ったの~!」

「オリジナル制服?」



そう言って渡されたのは、見覚えのある制服。



「なんか、東山高校の制服に似てますね・・・」

「東山の制服だもん。」

「え!?それって、まずくないですか?」



生徒じゃないのに、着るのはよくないんじゃ・・・?



「平気よ。何か言われたら、コスプレしてるって言えばいいんだから。」

「それでいいの!?」



〔★モニカは知恵をさずけた★〕