「瑞希お兄ちゃーん!ちーちゃんが、みんなでここに勉強しに来た日に、世界史の宿題を忘れて帰ったそうなんですが・・・」
「あん、夏休みの宿題をか?幡随院が来た日・・・その日は確か、烈司と伊織がいたな。どうなんだ、2人共?」
すぐさま、烈司さんと獅子島さんに確認を取るお兄ちゃん。
「ああ、覚えてる。世界史が終わったって、大騒ぎしてたからな。」
「フン!スマホで答えを探せば、早く終わるだろう。」
「あの~そういうのって、獅子島さん的にはどうなんですか?」
勉強は真面目そうだから、怒りそうな気がする。
個人的にも、ちょっとズルいんじゃないかなぁ~と思いながらを聞けば、こちらをジロッと見ながら言った。
「問題集の空欄が埋まり、宿題が完成すればいい。頭に入ってようが、なかろうが、困るのは本人だ。」
「ご、ごもっともですね。」
〔★自己責任らしい★〕
「宿題のやり方はいいからよ、肝心の問題集がないんだろう?烈司、伊織、見てないか?」
「ドヤ顔で見せてきたのは覚えてる。」
「あとは知らん。」
「モニカと皇助は?」
「あたしも見てないわねぇ~」
「わははは!これかぁー!?」
「百鬼さんそれ!?」
そう言った野獣の手には、少しボロボロになった世界史の問題集があった。
「わはははは!店の雑誌コーナーにはさんであったぞ!」
「よかった!ありがとうございます、百鬼さん!」
それを見届けてから、携帯を耳にあてる。
「ちーちゃん、見つかりましたよ!」
〈マジで!?ちーちゃんの世界史の宿題、どこにあるのリンリーン!?〉
「百鬼さんの手の中です。」
〈のおぉぉぉぉ!早くヘルプして!ちーちゃんの世界史をヘルプミーして!〉
「わかってます。」
椅子から降りて、百鬼さんの前まで言って手を出す。
「百鬼さん。」
「わははは!」
それに野獣は、パン!と良い音を立てて手渡してくれた。
〔★救助に成功した★〕


