彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「凛もこいつらを、うまく扱えるようになったなぁー」

「お兄ちゃん。」



私達のやり取りを見ていた瑞希お兄ちゃんが感心しながら言う。



「呼びつけて悪かったな。いいタイミングで帰って良いからな?」

「いえ、そんな!瑞希お兄ちゃんの呼び出しでしたら、いつでも受けますので!」

「可愛いこと言うな・・・」



キッチンから、私の隣へと移動しながら笑う好きな人。




ピヨピヨピ―♪




それを嬉しく思っていたら私の携帯が鳴った。



「人気だな、凛?」

「からかわないでくださいよ。」



そう返しながら画面を見る。



(ちーちゃん?)



・・・そういえば、ファミレスに取り残されてるんだっけ?



(まさか、また無実の罪で警察に捕まった!?)



「もしもし、ちーちゃん!?」



そんな思いで電話に出れば。



〈もしもし、リンリン!今どこぉ~?〉



元気のない声が響く。



「お兄ちゃんのところです。」



〈じゃあ、俺の世界史の宿題ある系?〉

「ちーちゃんの世界史の問題集ですか??」

〈そう!俺ね~スマホでググって、一生懸命答え探して、一番に終わらせたわけ!フェリチータでみんなと勉強した時にだよ!それがねー今日ねーヤマトっち達と別れた後に、明日の用意してたら、見つからない系~!〉

「ええ!?よく探しましたか?」

〈探した!ないよ!いつもの場所にない!〉

「置く場所は決めてたんですね。でしたら・・・勉強疲れのボーとした頭で、無意識のうちに違うところに置いてしまっているとか?」

〈それもふくめてあり得なーい!考えられるのは、真田せんぱぁぃの家で勉強した時に忘れた的な!!リンリーン!〉

「わかりました。確認しますので、落ち着いてくださいね。」



焦るちーちゃんをなだめ、いったん耳から携帯を離す。