「凛もこいつらを、うまく扱えるようになったなぁー」
「お兄ちゃん。」
私達のやり取りを見ていた瑞希お兄ちゃんが感心しながら言う。
「呼びつけて悪かったな。いいタイミングで帰って良いからな?」
「いえ、そんな!瑞希お兄ちゃんの呼び出しでしたら、いつでも受けますので!」
「可愛いこと言うな・・・」
キッチンから、私の隣へと移動しながら笑う好きな人。
ピヨピヨピ―♪
それを嬉しく思っていたら私の携帯が鳴った。
「人気だな、凛?」
「からかわないでくださいよ。」
そう返しながら画面を見る。
(ちーちゃん?)
・・・そういえば、ファミレスに取り残されてるんだっけ?
(まさか、また無実の罪で警察に捕まった!?)
「もしもし、ちーちゃん!?」
そんな思いで電話に出れば。
〈もしもし、リンリン!今どこぉ~?〉
元気のない声が響く。
「お兄ちゃんのところです。」
〈じゃあ、俺の世界史の宿題ある系?〉
「ちーちゃんの世界史の問題集ですか??」
〈そう!俺ね~スマホでググって、一生懸命答え探して、一番に終わらせたわけ!フェリチータでみんなと勉強した時にだよ!それがねー今日ねーヤマトっち達と別れた後に、明日の用意してたら、見つからない系~!〉
「ええ!?よく探しましたか?」
〈探した!ないよ!いつもの場所にない!〉
「置く場所は決めてたんですね。でしたら・・・勉強疲れのボーとした頭で、無意識のうちに違うところに置いてしまっているとか?」
〈それもふくめてあり得なーい!考えられるのは、真田せんぱぁぃの家で勉強した時に忘れた的な!!リンリーン!〉
「わかりました。確認しますので、落ち着いてくださいね。」
焦るちーちゃんをなだめ、いったん耳から携帯を離す。


