彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




がっかりする私をよそに、テンション高めに瑞希お兄ちゃんはしゃべる。



「東山の連中は熱心だぜ?高千穂も、すげー頑張っててな~」

「そうでしたか・・・」

「なんでテンション下がるんだ、凛?」

「え?ああ・・・喉が渇きまして・・・」

「だから元気がないのか~?じゃあ、先に飲んじまえよ。」



笑顔で言うと、私が用意した氷入りのグラスを手に取る。

そして、大急ぎで新鮮なマンゴージュースを入れる瑞希お兄ちゃん。

それにストロー付きで差し出してくれた。



「ほら、凛。」

「あ、でも、瑞希お兄ちゃん達より先に飲むのは・・・」

「そのお兄ちゃんがいいって言ってんだ。飲めよ?」

「・・・ありがとうございます・・・」



お礼を言って受け取り、甘い飲み物を吸い上げた。

その隣で、自分と仲間の分の飲み物を注いでいく瑞希お兄ちゃんを見ていた。

働く男って、ステキよね・・・♪



〔★好きな人だから、よく見えているだけだ★〕



「できたぞ、お前ら~!」

「持ってきて、みーちゃん!」

「取りに来い。」

「えー愛がない!」

「だりぃ~」

「サービスが悪いぞ。」

「わはははは!」

「今なら凛が、手渡ししてくれるぞ?」

「ちょ、お兄ちゃん!」



そんなことして、彼らが動くわけ~



「俺が一番!」

「あたしよ!」

「どけ!」

「わはははは!」



(って、動くの!?)



あっという間に私の前に押し寄せる先輩達。



〔★凛のサービスは人気だった★〕



「凛たん、お疲れ様って言って!」

「お、お疲れ様です、烈司さん。」

「愛してるって言って~」

「先輩として、モニカちゃんを愛してます。」

「・・・わかってるな、凛道・・・?」

「し、獅子島さんって、本当に頭がよくて、冷静で、頼もしくて、見た目もよくて、本当に味方で嬉しいですっ!」

「わはははは!凛助ぇ~!」

「はい、百鬼さん。」

「てっ、俺様にはそれだけかっ!?」

「えー・・・霊長類最強の百鬼さん・・・?」

「わははははは!」



私の返答に、百鬼は大爆笑する。

怒鳴り返してこなかったので、たぶん今ので正解だと思う。



〔★凛はリアクションで判断した★〕