「ぼ、僕、自分でします!」
「いいよ。俺も喉乾いてるんだ。」
「僕がします!僕が・・・」
「じゃあ、一緒にするか・・・?」
「うん!」
再度うなずけば、もう一度髪をなでてくれた。
(よかった~!いつも通りに振るまえたし、いつも通りにかまってもらえてる~♪)
とりあえず一安心。
ホッとしながら瑞希お兄ちゃんを手伝う。
「おーい、俺らにも飲み物くれよ、凛たん、瑞希~」
ほんわかと作業していれば、カウンター越しから先輩達がオーダーをかける。
「俺、コーラ。」
「あたし、アサイジュース!」
「野菜ジュース。」
「酒!!」
「わかった。コーラとアサイと野菜と甘酒か。」
「なんでだよ!?」
「瑞希お兄ちゃん、真夏に甘酒って・・・」
「酒ではあるだろう?『飲む点滴』って言われてるほど体にいいから、元気になるぞ~」
「え?百鬼さん・・・これ以上、元気にならなくてもいいんじゃないですか?」
「精神が安定するかもしれないだろう?」
「誰が病人だっコラ!?」
(ある意味、病気だと思うけど・・・)
〔★病名は、『喧嘩中毒』だ★〕
追加でグラスと氷を用意していれば、冷蔵庫から飲み物を出していた瑞希お兄ちゃんが言った。
「凛、今日はなにしてた?」
「え!?えっと・・・ヤマ」
「五十嵐といたんだろう?店の前まで乗せてもらったんだよな?」
「なぜそれを!?」
「外から、バイクの音がしたからな。」
「そ、そうでしたか。」
「昼間ここに来れば、高千穂にも会えたのによ。」
「え?カンナさん達、来たんですか?」
「伊織に宿題を教えてもらいにな。」
「そうでしたか。」
「俺は見守るぐれーしかできなかったけどな。」
「え!?瑞希お兄ちゃんもいたんですか!?」
予定では、今日は仕事のはずじゃなかったの!?
「シフト交代して、休みになったんだ。」
「ええ!?」
そうなら、来ればよかった!
てか、来たくても来れない!
昼間は、塾がある・・・・!
(瑞希お兄ちゃんに会えない!)
〔★女装瑞希とは会っている★〕


