彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「ぼ、僕、自分でします!」

「いいよ。俺も喉乾いてるんだ。」

「僕がします!僕が・・・」

「じゃあ、一緒にするか・・・?」

「うん!」



再度うなずけば、もう一度髪をなでてくれた。



(よかった~!いつも通りに振るまえたし、いつも通りにかまってもらえてる~♪)



とりあえず一安心。

ホッとしながら瑞希お兄ちゃんを手伝う。



「おーい、俺らにも飲み物くれよ、凛たん、瑞希~」



ほんわかと作業していれば、カウンター越しから先輩達がオーダーをかける。



「俺、コーラ。」

「あたし、アサイジュース!」

「野菜ジュース。」

「酒!!」

「わかった。コーラとアサイと野菜と甘酒か。」

「なんでだよ!?」

「瑞希お兄ちゃん、真夏に甘酒って・・・」

「酒ではあるだろう?『飲む点滴』って言われてるほど体にいいから、元気になるぞ~」

「え?百鬼さん・・・これ以上、元気にならなくてもいいんじゃないですか?」

「精神が安定するかもしれないだろう?」

「誰が病人だっコラ!?」



(ある意味、病気だと思うけど・・・)



〔★病名は、『喧嘩中毒』だ★〕



追加でグラスと氷を用意していれば、冷蔵庫から飲み物を出していた瑞希お兄ちゃんが言った。



「凛、今日はなにしてた?」

「え!?えっと・・・ヤマ」

「五十嵐といたんだろう?店の前まで乗せてもらったんだよな?」

「なぜそれを!?」

「外から、バイクの音がしたからな。」

「そ、そうでしたか。」

「昼間ここに来れば、高千穂にも会えたのによ。」

「え?カンナさん達、来たんですか?」

「伊織に宿題を教えてもらいにな。」

「そうでしたか。」

「俺は見守るぐれーしかできなかったけどな。」

「え!?瑞希お兄ちゃんもいたんですか!?」



予定では、今日は仕事のはずじゃなかったの!?



「シフト交代して、休みになったんだ。」

「ええ!?」



そうなら、来ればよかった!

てか、来たくても来れない!

昼間は、塾がある・・・・!



(瑞希お兄ちゃんに会えない!)



〔★女装瑞希とは会っている★〕