「あら~イイ感じね!」
「モニカちゃん、これって・・・」
「そうよ~パトロールの時に着る服よ~」
用意された服は、夜回りをするための服。
オシャレTシャツにしか見えないのは、モニカちゃんの腕前だと思う。
「似合うな、凛。」
「瑞希お兄ちゃん!?」
大好きな声のした方を見れば、お店へと降りてきた瑞希お兄ちゃんがいた。
(見る限り、いつも通りだけど・・・)
「き、来ました!瑞希お兄ちゃん!」
「ああ、よく来たな。」
そう言って、頭をなでてくれる。
(いつも通りだわ・・・)
私への対応にホッとしたけど、不安は消えない。
言葉を選びながら、彼に話しかけた。
「瑞希お兄ちゃん・・・御用は何でしょうか?」
「んー?別に・・・」
私の髪を、手で遊びながら瑞希お兄ちゃんは言う。
「凛の元気な顔が見たかっただけだ。」
(つまり、あんな別れ方をしたので、無事を確認したかったということですか・・・!?)
「瑞希、凛たんに飲み物入れてやれよ?」
瑞希お兄ちゃんの言葉の意味を読み取っていれば、彼の後ろから烈司さんが声をかけてくれた。
「いつも入れてやるじゃんか?」
「この時間に飲ませたら、眠れなくなる。」
「はは!こんな時間に呼び出しといて、よく言うぜ~だったらカフェイン以外を入れてやればいいだろう?なぁ、凛たん?」
「いえ、僕は別に・・・」
「・・・・凛、マンゴージュース飲むか?」
「え?」
「果実から作ったんだ・・・飲むか?」
「・・・うん。」
うなずけば、私の髪から手が抜ける。
「あ・・・。」
無言でキッチンへと行く瑞希お兄ちゃん。
「ま、待って!」
彼の後を、慌てて追いかける。


