彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




私達と丸山さん達の話し合いは、2時間ぐらいで終わった。

最後の方は大半のホームレス達の警戒心もなくなっていた。

大まかなことだけ決め、次に集まる約束をしてから解散できた。




(もし、問題があるとすれば・・・)



そこでバイクが止まる。



「うはははは!凛、着いたでー!」

「ありがとう、ヤマト。」



運転手の言葉で、後ろから降りる。



「わしも行こうかー?」

「いえ、呼び出されたのは僕ですので。」



ミクお姉さんと別れ、丸山さん達の協力を得られた後、瑞希お兄ちゃんからLINEが来た。



―今なにしてる?すぐ顔を見せに来い!―



(ヤバい・・・)



瑞希お兄ちゃんからすれば、私はさらわれたという立場にある。

心配して連絡をくれるのは普通。

これに対して私は、ミクお姉さん=瑞希お兄ちゃんを知らないつもりで対応しなければいけない。

問題があるとすれば・・・



(瑞希お兄ちゃんと普通に話せるかどうか・・・ね。)



「終わったら連絡します。」

「うはははは!!」



額に手をかざしながら言うと、そのままバイクを発進させるヤマト。



「瑞希お兄ちゃん、来ました~」



いつも通り、自然な自分を意識して言う。



「あら、いらっしゃい、凛ちゃん!」

「凛たん、来たね~」

「凛道か。」

「わははは!凛助~」

「あれ、瑞希お兄ちゃんは?」



出迎えてくれたのは4人の先輩。



「みーちゃんなら、自分の部屋よ。れーちゃん呼んで来て。」

「へいへい。」



モニカちゃんの指示で、烈司さんが席を立つ。



「凛ちゃん、新しい服作ったから合わせてみましょう~!」

「え!?服、ですか?」

「そうよ~おいで、おいで♪」



ご機嫌で、私の腕を引っ張るモニカちゃん。

私の背後に回ると、シャツを背中にあてる。

服の丈を確認してるのだろう。