私達と丸山さん達の話し合いは、2時間ぐらいで終わった。
最後の方は大半のホームレス達の警戒心もなくなっていた。
大まかなことだけ決め、次に集まる約束をしてから解散できた。
(もし、問題があるとすれば・・・)
そこでバイクが止まる。
「うはははは!凛、着いたでー!」
「ありがとう、ヤマト。」
運転手の言葉で、後ろから降りる。
「わしも行こうかー?」
「いえ、呼び出されたのは僕ですので。」
ミクお姉さんと別れ、丸山さん達の協力を得られた後、瑞希お兄ちゃんからLINEが来た。
―今なにしてる?すぐ顔を見せに来い!―
(ヤバい・・・)
瑞希お兄ちゃんからすれば、私はさらわれたという立場にある。
心配して連絡をくれるのは普通。
これに対して私は、ミクお姉さん=瑞希お兄ちゃんを知らないつもりで対応しなければいけない。
問題があるとすれば・・・
(瑞希お兄ちゃんと普通に話せるかどうか・・・ね。)
「終わったら連絡します。」
「うはははは!!」
額に手をかざしながら言うと、そのままバイクを発進させるヤマト。
「瑞希お兄ちゃん、来ました~」
いつも通り、自然な自分を意識して言う。
「あら、いらっしゃい、凛ちゃん!」
「凛たん、来たね~」
「凛道か。」
「わははは!凛助~」
「あれ、瑞希お兄ちゃんは?」
出迎えてくれたのは4人の先輩。
「みーちゃんなら、自分の部屋よ。れーちゃん呼んで来て。」
「へいへい。」
モニカちゃんの指示で、烈司さんが席を立つ。
「凛ちゃん、新しい服作ったから合わせてみましょう~!」
「え!?服、ですか?」
「そうよ~おいで、おいで♪」
ご機嫌で、私の腕を引っ張るモニカちゃん。
私の背後に回ると、シャツを背中にあてる。
服の丈を確認してるのだろう。


