「ミクお姉さん、家出した人を探してるんですか?」
「そうよ。・・・あなたもじゃない?」
「え!?いえ、僕はなにも・・・。」
「隠さなくていいのよ、龍星軍の総長さん?」
「え!?」
「あなたのこと、知らないわけないでしょう?あなたの知ってる情報を教えてよ?」
(そうきますか!?)
私がどこまで知っているか確認し、場合によっては、私の調べた内容で捜査をすすめようというのですね!?
〔★瑞希が一枚上手だった★〕
(瑞希お兄ちゃんがそういうつもりなら、下手に隠すよりは、正直に言った方が良いよね・・・)
「ざ、残念ながら・・・家出っ子が集まる広場があることしかつかんでないです。」
「あははは!そーよね!素人だから、その程度よねー?」
あからさまに安心する姿を見て、複雑な気持ちになる。
(瑞希お兄ちゃんも素人なんじゃ・・・?)
〔★どちらかといえばグレーゾーンだ★〕
「蓮君、あの龍星軍の総長だもんね?お姉さん、いろいろお話聞きたいわ。」
「いえ、話すほどのことは何も・・・」
「そうね~ここでは無理かな?」
「え?」
(『ここでは』って?)
疑問に思った直後、その言葉を裏付ける出来事が起きた。
「ねぇねぇ!!お姉さん達ヒマ!?遊びにかなーい!?」
「デート中よ。」
「わ!」
さっきとは別の男達の誘いに、私の腕をつかみながらあしらう瑞希お兄ちゃん。
「行きましょう。」
「あ、あの、今のって・・・!?」
「酔っ払いでしょう?」
(ナンパじゃないんですか?)
ツンとした態度で言う瑞希お兄ちゃん。
(やっぱり、オトリで女装してるとは言え、女性扱いされるのは嫌なのかな・・・?)
そんな思いで、キレイな横顔を見ていたら言われた。


