「なにやってるんだ?」
「えっ?」
突然、低い声と怖い顔でにらまれる。
バッチリメイクでお化粧してるけどわかる。
(初代総長モードになってる・・・!)
〔★ブチ切れ寸前だ★〕
これは・・・・うかつなことは言えない。
そう判断したので、相手の出方をうかがうため、無難な言葉を発してみた。
「な、なんのことです・・・?」
「はあ?誤魔化す気か?」
「い、いえ、あの・・・」
「わかってんだろう・・・!?」
口調と表情はいつもの瑞希お兄ちゃんだけど、そう呼んでいいの?
(女装は、私には内緒じゃなかったの?)
私への今の接し方だと、隠してるそぶりは見えない。
瑞希お兄ちゃんと呼ぶべきか、呼ばないべきか・・・・迷った末に私は言った。
「ど、どちら様ですか・・・?」
「なに!?」
「だ、だから!お姉さん誰ですか!?」
「お姉さんだぁ!?」
隠しているわけだから、お姉さんと呼ぶことにした。
〔★凛は気づいてないを選択をした★〕
目を見開き、瞬きしないで私を見てる瑞希お姉さん。
好きな人の反応を見て思う。
(これ・・・知らないふり作戦失敗?)
「・・・お前・・・」
「な、なんですか?」
「・・・・・・なんでもない、わ。」
難しい顔をした後で、手を離してくれた。
「とにかく・・・知らない人について行ったらダメだからね?」
「・・・すみません。」
「私が通りかかったから、よかったけど。」
それを聞いて思う。
(瑞希お兄ちゃん、女性の振りをするんだ・・・)
演技を、続けるんですね・・・
〔★その選択をさせたのは凛だ★〕


