一方的すぎる相手に、さすがの私も抗議する。
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
言ってることは、良いことばかりだけど、そんな上手い話はない!
(なによりも、こいつ――――――絶対にMESSIAHのメンバーぽくないよ!!)
私が探してるのはMESSIAHのメンバー!
神がどういう者かわかったから逃げよう!
ヤンキー語で言えば、バックレるよ!
「ぼ、僕大丈夫ですから、おかまいなく!」
「遠慮しなくていいから。君、きゃしゃで可愛いね。マスクとっても可愛いだろうな。」
「手を離してください!僕、待ち合わせをしてるので~」
「怖がらなくていいよ。俺、優しいから。ベッドは1つしかないから、一緒に寝ようね?」
「僕の話、聞いてます!?勝手に決めないでください!離してくださーい!」
話がかみ合わないまま、強引に連れていかれそうになったが・・・
パン!!
「お待たせ。」
「痛っ!?」
「あ!?」
私をつかんでいた男の手が、乱暴に払われる。
「遅くなってごめんね~」
そう言いながら、私の体を引き寄せる人物。
「待っちゃった?早くお姉ちゃんと帰りましょう?」
優しく私に語り掛ける相手を見て息を飲む。
(瑞希お兄ちゃん!?)
私を助けてくれたのは、大好きな人。
しかも、いつもとは全く違う姿だった。
「い、痛いじゃないか!?なにす―――可愛い!!?」
(無理もない。)
叩かれたおじさんも、思わずデレっとなるような美しさ。
今の瑞希お兄ちゃんは、ふっくらとした胸があり、髪が長くなっていた。
服装も、黒のノースリーブのハイネックワンピースを身に着け、その上から赤のバタフライスリーブを着ていた。
腕にはアップルウォッチ、耳には真珠のイヤリングをつけ、赤のヒールドレープサンダルをはいている。
つまり、前に見た変装姿よりもグレードアップした女性の真田瑞希さんがいた。
(女装お兄ちゃんキタ―――――――――――――――!!!)
あううう!可愛い可愛い!めちゃくちゃ美人!
あまりの可愛さにキュン死してしまう!
美しすぎて萌えちゃうじゃないですかぁ!?
どこまで惚れさせれば気が済むのです!?
女性なあなたも愛せます!愛してます!!
僕が養うので、結婚してくださーい♪!!
〔★瑞希の女装、凛は悩殺された★〕


