彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




一方的すぎる相手に、さすがの私も抗議する。



「ちょ、ちょっと待って下さい!」



言ってることは、良いことばかりだけど、そんな上手い話はない!



(なによりも、こいつ――――――絶対にMESSIAHのメンバーぽくないよ!!)



私が探してるのはMESSIAHのメンバー!

神がどういう者かわかったから逃げよう!

ヤンキー語で言えば、バックレるよ!



「ぼ、僕大丈夫ですから、おかまいなく!」

「遠慮しなくていいから。君、きゃしゃで可愛いね。マスクとっても可愛いだろうな。」

「手を離してください!僕、待ち合わせをしてるので~」

「怖がらなくていいよ。俺、優しいから。ベッドは1つしかないから、一緒に寝ようね?」

「僕の話、聞いてます!?勝手に決めないでください!離してくださーい!」



話がかみ合わないまま、強引に連れていかれそうになったが・・・




パン!!

「お待たせ。」

「痛っ!?」

「あ!?」



私をつかんでいた男の手が、乱暴に払われる。



「遅くなってごめんね~」



そう言いながら、私の体を引き寄せる人物。



「待っちゃった?早くお姉ちゃんと帰りましょう?」



優しく私に語り掛ける相手を見て息を飲む。




(瑞希お兄ちゃん!?)




私を助けてくれたのは、大好きな人。

しかも、いつもとは全く違う姿だった。



「い、痛いじゃないか!?なにす―――可愛い!!?」



(無理もない。)



叩かれたおじさんも、思わずデレっとなるような美しさ。

今の瑞希お兄ちゃんは、ふっくらとした胸があり、髪が長くなっていた。

服装も、黒のノースリーブのハイネックワンピースを身に着け、その上から赤のバタフライスリーブを着ていた。

腕にはアップルウォッチ、耳には真珠のイヤリングをつけ、赤のヒールドレープサンダルをはいている。

つまり、前に見た変装姿よりもグレードアップした女性の真田瑞希さんがいた。



(女装お兄ちゃんキタ―――――――――――――――!!!)



あううう!可愛い可愛い!めちゃくちゃ美人!

あまりの可愛さにキュン死してしまう!

美しすぎて萌えちゃうじゃないですかぁ!?

どこまで惚れさせれば気が済むのです!?

女性なあなたも愛せます!愛してます!!

僕が養うので、結婚してくださーい♪!!



〔★瑞希の女装、凛は悩殺された★〕