彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「チョコ君、家出ちゃんの画像を送ってくれない?」

「え?」

「私は忘れない自信はあるけど、他の人はそうとは限らない。他の人にも見せて、情報提供を呼びかけたいのよ。」

「そうして頂けると助かります。」

「じゃあ、アドレス交換しましょうか?」



アドレス・・・

(それはまずい。)



極力身内以外は、アドレスは教えたくない。

いつ、どこで、菅原凛とバレるきっかけになるかわからないから。



「あの、メモリーカードを渡すので、そちらで画像をプリントしてもらえませんか?」

「え?教えるの嫌なの?」

「個人情報ですので。」

「それだと、家出ちゃんを見つけた時に、すぐに連絡できないでしょう?」

「その時はご家族へ・・・」



家族へ連絡してほしいと言いかけて気づく。



(しまった!みさきさんの連絡先知らない!)



〔★痛恨のミスだ★〕



どうしよう!?

会長さんの連絡先でもいいかな?



(でも、本人の許可を取らずに教えるのはダメだよね?)



「なぁに、チョコ君?あなたのアドレスじゃ、ダメなの?」

「えーと・・・」

「チョコ君じゃダメなの?」

「・・・いいです。」



かなり不本意ではあったが、教えることを承知する。



「きゃーやったわぁ~!」

「連絡先ゲットだぜ~!」



これに対し、目の前で拍手する2人の男女にイラッとする。



(私はレアポケモンか!?)



〔★現実世界でも、珍しいタイプではある★〕



しぶしぶ、アドレスを交換する。

もちろん、コピーしたなずなちゃんの画像つきで。



「ありがとう~学兄さんにも送るね?」

「よろしく。」

「お姉さん、それ以上、僕のアドレスを拡散しないでくださいね?」

「瑠華でいいわよ。もちろんよ。ところでチョコ君、MESSIAHのことは誰から聞いたの?」

「警察が愚痴ってるのを聞いたんです。」

「え!?補導されたの!?」

「されてません!」



〔★その時点で、凛道蓮は終わってる★〕