名乗ったはいいが、名前が名前なのでちゃんと名乗れと言われる覚悟もしたのだけど・・・
「あら、可愛い名前。ねぇ、学兄さん?」
「そうだね~最近は、ピカチューとかいろんな名前があるからな~」
(え!?納得した!?)
キラキラネームという存在のおかげで、追及されることはなかった。
〔★世間に、DQNネームが浸透している証拠だ★〕
「チョコ君は、どうしてウロウロしてたの?夜遊びしてる風には、お姉さん見えないけど?」
「えーと、ちょっと人探しをしてまして。」
「どんな子?お姉さん、力になれるかもしれない。」
「え?」
「そうだな・・・瑠華ちゃんなら、女の子の知り合いも多い。」
「あら、学兄さん、この子が探してるのは女の子なの?」
「ああ、家出中の子らしいんだ。」
私を意見を無視して、話をすすめる大人2人。
「チョコ君、殺気の画像、見せてあげてくれないか?」
「はあ・・・」
惜しむことでもないので、携帯画面を切り替えて差し出す。
「あら、子供携帯ね。」
「それはもういいです!どうですか?この子に見覚えはありませんか?」
「うーん・・・見かけない子ね。この辺りの子じゃないわよね?」
望んだ答えじゃなかったけど、気になる単語は言ってくれた。
「他県から家出してきてます。この辺りの子だったら・・・わかったんですか?」
「まぁね。私も、この土地に長くいるわけじゃないけど、人の顔は忘れない方だから。」
「じゃあ、覚えて頂けますか?見かけ次第、引き止めて、ご一報ください。」
「あなた本当に、礼儀正しいわね。」
口元に手を当てながら、クスクスと笑う美女。


