彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




名乗ったはいいが、名前が名前なのでちゃんと名乗れと言われる覚悟もしたのだけど・・・



「あら、可愛い名前。ねぇ、学兄さん?」

「そうだね~最近は、ピカチューとかいろんな名前があるからな~」

(え!?納得した!?)



キラキラネームという存在のおかげで、追及されることはなかった。



〔★世間に、DQNネームが浸透している証拠だ★〕



「チョコ君は、どうしてウロウロしてたの?夜遊びしてる風には、お姉さん見えないけど?」

「えーと、ちょっと人探しをしてまして。」

「どんな子?お姉さん、力になれるかもしれない。」

「え?」

「そうだな・・・瑠華ちゃんなら、女の子の知り合いも多い。」

「あら、学兄さん、この子が探してるのは女の子なの?」

「ああ、家出中の子らしいんだ。」



私を意見を無視して、話をすすめる大人2人。



「チョコ君、殺気の画像、見せてあげてくれないか?」

「はあ・・・」



惜しむことでもないので、携帯画面を切り替えて差し出す。



「あら、子供携帯ね。」

「それはもういいです!どうですか?この子に見覚えはありませんか?」

「うーん・・・見かけない子ね。この辺りの子じゃないわよね?」



望んだ答えじゃなかったけど、気になる単語は言ってくれた。



「他県から家出してきてます。この辺りの子だったら・・・わかったんですか?」

「まぁね。私も、この土地に長くいるわけじゃないけど、人の顔は忘れない方だから。」

「じゃあ、覚えて頂けますか?見かけ次第、引き止めて、ご一報ください。」

「あなた本当に、礼儀正しいわね。」



口元に手を当てながら、クスクスと笑う美女。