「違法なドラックを売買するだけでなく、家出少女を薬漬けにして売春させているんです。」
「坊や、そこまでわかって・・・?」
「!?では、あなたもなにかご存じで・・・!?」
「・・・場所を変えよう。」
渋い顔で言うと、立ち上がる渡瀬さん。
「こっちへ。」
そう言って店の奥へと移動した。
生活空間のある部屋に通される。
「ここは・・・?」
「うちの支部かな。このお店は、うちのNPOに協力してくれてるんだよ。」
そう言った渡瀬さんの背後に誰かが立つ。
「渡瀬さん、誰その子?」
「瑠華ちゃん。」
(び、美人!!)
短い髪がエキゾチックで、スタイルはボン!キュ!ボン!のナイスバディ!
思わず二度見するぐらいキレイな、色気ただようセクシーな美女だった。
私を見た後で、彼女は渡瀬さんに言った。
「可愛い子ね。家出ちゃん?」
「まぁね。俺が相手をするからいいよ。」
「飲み物ぐらいはいるでしょう?」
「じゃあ、飲み物を2人分。」
「わかったわ。」
渡瀬さんの指示にクスッと笑うと、私にバイバイ♪と手をふってから離れる美人さん。
(すごーい!瑞希お兄ちゃんとは違った色っぽさがある!)
顔の作りも綺麗で、まつ毛も長いけど、唇がつやつやで・・・
「彼女、ボランティアで少女達の話し相手になってくれてるんだ。」
「ボランティア?」
「女の子の家出が多いから、同性の方が話しやすいでしょう?」
「それもそうですね・・・」
「彼女は聞き上手だから人気だよ。男にも人気だけど、ナンパには興味ないらしい。」
「仕事熱心でいいじゃないですか?」
「ははは!その切り返し、いいね?君、面白い子だよ。」
「ありがとうございます。」
「どういたしまして。さて、ここから本題だ。君はなぜ、半グレの黒木のことを知ってるんだい?関係者?逃げてきたの?」
「違います。どうして、そう思うのですか?」
「それは・・・・そうじゃなきゃ、説明がつかないから・・・かな?」
「奴らのこと、ご存じなのですか?」
「ああ・・・嫌というぐらい知ってる。」
そう語る渡瀬さんの顔から、穏やかさが消える。


