彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「違法なドラックを売買するだけでなく、家出少女を薬漬けにして売春させているんです。」

「坊や、そこまでわかって・・・?」

「!?では、あなたもなにかご存じで・・・!?」

「・・・場所を変えよう。」



渋い顔で言うと、立ち上がる渡瀬さん。



「こっちへ。」



そう言って店の奥へと移動した。

生活空間のある部屋に通される。



「ここは・・・?」

「うちの支部かな。このお店は、うちのNPOに協力してくれてるんだよ。」



そう言った渡瀬さんの背後に誰かが立つ。



「渡瀬さん、誰その子?」

「瑠華ちゃん。」



(び、美人!!)



短い髪がエキゾチックで、スタイルはボン!キュ!ボン!のナイスバディ!

思わず二度見するぐらいキレイな、色気ただようセクシーな美女だった。

私を見た後で、彼女は渡瀬さんに言った。



「可愛い子ね。家出ちゃん?」

「まぁね。俺が相手をするからいいよ。」

「飲み物ぐらいはいるでしょう?」

「じゃあ、飲み物を2人分。」

「わかったわ。」



渡瀬さんの指示にクスッと笑うと、私にバイバイ♪と手をふってから離れる美人さん。



(すごーい!瑞希お兄ちゃんとは違った色っぽさがある!)



顔の作りも綺麗で、まつ毛も長いけど、唇がつやつやで・・・



「彼女、ボランティアで少女達の話し相手になってくれてるんだ。」

「ボランティア?」

「女の子の家出が多いから、同性の方が話しやすいでしょう?」

「それもそうですね・・・」

「彼女は聞き上手だから人気だよ。男にも人気だけど、ナンパには興味ないらしい。」

「仕事熱心でいいじゃないですか?」

「ははは!その切り返し、いいね?君、面白い子だよ。」

「ありがとうございます。」

「どういたしまして。さて、ここから本題だ。君はなぜ、半グレの黒木のことを知ってるんだい?関係者?逃げてきたの?」

「違います。どうして、そう思うのですか?」

「それは・・・・そうじゃなきゃ、説明がつかないから・・・かな?」

「奴らのこと、ご存じなのですか?」

「ああ・・・嫌というぐらい知ってる。」



そう語る渡瀬さんの顔から、穏やかさが消える。