「菅原さんは、どうしてそのサプリメントを怪しいと思ったのかな?」
「それは・・・成分表示も何もないままで、渡されたからです。アレルギーとかもあるので、怖いじゃないですか?」
アレルギーは持ってないけど、一般論で伝える。
「なるほどね・・・」
「薬はケースで渡されたの?袋に入ってたの?」
私の正論に杉本さんはうなずき、山本さんがさらに質問してくる。
だから私も、彼らに合わせて答えた。
「透明な小さい袋に入っていました。1日分と言われ、3粒入っていました。錠剤でした。」
「言い争いになったのは、サプリメントを返そうとした時かな?」
「そうです。『飲んでくれないと困る』とも言われました。」
「じゃあ、菅原さんに飲んでほしいような態度だったんだね?」
「はい。私は『飲まない』と断りましたが・・・。」
「そのサプリメントだけど、坂口さんの方から君に勧めたのかな?みんなの前だったのかな?どんなふうに勧められたのかな?」
「坂口さんから勧めてきました。私と2人きりになるようにしてきまして・・・その時に、『成績が上がるすごいサプリだから、みんなには内緒であげる』って言わたんです。」
「そんなにすごいサプリメントなら、高かったんじゃない?お金は払ったの?」
「いいえ。最初はタダだと言われました。飲んでみて良かったら、次からは支払う・・・ということを言っていました。」
「坂口さんは、その薬を誰からもらったか言ってなかった?」
「聞いてません。」
そうよ、聞いてなんかいない。
凛道蓮は知ってるけど、菅原凛は知らない。
だから、ズルいかもしれないけど、MESSIAHの名前は出さなかった。
「わかりました。」
その言葉を最後に、私への質問は終わる。
山本さんが質問し、杉本さんがメモを取るという役割分担だった。


