彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「菅原さんは、どうしてそのサプリメントを怪しいと思ったのかな?」

「それは・・・成分表示も何もないままで、渡されたからです。アレルギーとかもあるので、怖いじゃないですか?」



アレルギーは持ってないけど、一般論で伝える。



「なるほどね・・・」

「薬はケースで渡されたの?袋に入ってたの?」



私の正論に杉本さんはうなずき、山本さんがさらに質問してくる。

だから私も、彼らに合わせて答えた。



「透明な小さい袋に入っていました。1日分と言われ、3粒入っていました。錠剤でした。」

「言い争いになったのは、サプリメントを返そうとした時かな?」

「そうです。『飲んでくれないと困る』とも言われました。」

「じゃあ、菅原さんに飲んでほしいような態度だったんだね?」

「はい。私は『飲まない』と断りましたが・・・。」

「そのサプリメントだけど、坂口さんの方から君に勧めたのかな?みんなの前だったのかな?どんなふうに勧められたのかな?」

「坂口さんから勧めてきました。私と2人きりになるようにしてきまして・・・その時に、『成績が上がるすごいサプリだから、みんなには内緒であげる』って言わたんです。」

「そんなにすごいサプリメントなら、高かったんじゃない?お金は払ったの?」

「いいえ。最初はタダだと言われました。飲んでみて良かったら、次からは支払う・・・ということを言っていました。」

「坂口さんは、その薬を誰からもらったか言ってなかった?」

「聞いてません。」



そうよ、聞いてなんかいない。

凛道蓮は知ってるけど、菅原凛は知らない。

だから、ズルいかもしれないけど、MESSIAHの名前は出さなかった。



「わかりました。」



その言葉を最後に、私への質問は終わる。

山本さんが質問し、杉本さんがメモを取るという役割分担だった。