彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




パトロール、5日目。

夜回りを追えてフェリチータに帰宅する。



「なにもありませんでしたね。」

「フン、見回りも後半だから。」



本日、パトロールの相方である獅子島さんに言えば、いつもの調子で返事をしてくれた。

最近は慣れてきたこともあり、獅子島さんの側にいても平気だった。

でも、さすがに2人で行動するのは緊張した。

気疲れしちゃうかな。



「帰ったか、凛、伊織。」

「お兄ちゃん、ただいま~」

疲れてたけど、好きな人の顔を見たら吹き飛んだ!

彼の笑顔は特効薬よ!



〔★凛のMPが回復した★〕



キッチンにいたお兄ちゃんに獅子島さんも声をかける。



「瑞希、今夜、店を開けるのか?」

「どうしてもって頼まれてな。」



その準備をしていたらしい瑞希お兄ちゃんが答える。



「大丈夫ですか?普段のお仕事だけでも大変なのに、今は夜店もしてるじゃないですか?働きすぎですよ?」

「心配すんな、凛。今回だけだよ。常連さんのお願いだからな。」

「瑞希、相手はご老人か?」

「そうだけど?」

「手伝ってやるが、ほどほどしておけよ。」

「サンキュー、伊織!」

「僕も手伝います!」

「そうかそうか、凛♪よしよし。」



お兄ちゃんにヨシヨシされ、獅子島さんがため息をつくけど気にしない。



「じゃあ、早速だけど、ちょっと頼まれてくれるか?」

「なんなりと!」

「俺、買い出しに行きたいんだけど、留守番頼めるか?」

「僕も行きます!」

「凛は休んでろ。疲れてるだろう?」

「瑞希お兄ちゃんが休んで下さい!僕がおつかいに行きます!」

「気にしなくていいって。」

「コーヒーを作れるのはお兄ちゃんだけです!体力を温存してください!」

「それぐらい平気だから。凛は―――」

「僕は大丈夫――!」

「いいから休んでろ小動物・・・!」

「ふぁい・・・」



獅子島さんにほっぺを引っ張っられ、瑞希お兄ちゃんの言葉に従った。



〔★伊織のお仕置き、凛は静かになった★〕