彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「募金したとされる金額を、1000円、3000円、5000円って、高く書いておくとするじゃない。そうすれば、それを見た人が『前の人がそれだけ出してるなら・・・』ってことで、予定よりも多く募金するじゃない?」

「確かに!僕も、100円募金するつもりでしたが、あのノートに書かれた金額を見て、自分が募金する金額が少なくて、自分がケチに思えてしまい・・・。」

「そういう心理作戦なのよ!さらにいえば、これをしてるのが日本人なら怪しむけど、外人だったら異文化かな?とか思っちゃうでしょう?特に、恵まれない子供に~って、同情を誘う文面や写真なんか見せられたら一発でKOね。よく考えてるでしょう」

「考えてると思います。」



(というか、悪質じゃない。)



〔★犯罪といっていい★〕



「まぁ今回は、日本語が書けないからローマ字で書いてたみたいだけど、手帳のポケットとか怪しいわ~!別のグループは封筒に入れさせてるらしいけどね。」

「え!?まだいるんですか!?」

「そう言ったじゃない?このあたりだけでも、あと5グループぐらい、募金詐欺してるわ。さっきは男女のペアだったけど、だいたいが女性ペアね~男性も増えてきてるけど~中には、小道具として子供の写真を見せる奴らもいるから気をつけなくっちゃ!」

「・・・あの2人はどうなるんでしょう?」

「とりあえず、集めたお金を本当にユニセフ経由で送金させる手はずよ。さっきの初老のリーダーさんは信用できるからね♪あとは~2人の携帯没収して、仲間を芋づる式にあげてもらわないと。組織的な犯行だと思うから、悪質ならダメもとで警察に通報だけしてもらわないと。あいつらのせいで、本当に募金してくれる人が減って困ってたみたいだからね~」

「強制送還とかできないんですか?」

「無理じゃない?この件に関して大使館の方は、『怪しいかどうか、自己判断でお願いします』って回答しか来なかったんだもん。」

「質問したんですか!?」

「当然よ!さあ、ちゃっちゃっと貼っちゃいましょう♪」

「貼るって、なにを貼るんですか?」

「これよ!」



そう言って、モニカちゃんがカバンから出したのはポスターだった。