「ここ、日本!だから、僕、日本語で言う!」
また片言になってしまったが、私なりの気持ちを伝えた。
「僕らの国と日本、言葉も文化も違う!違うけど、国の誇りを持って働いてる!真面目にしてる!だから、あなた達がしたこと、真面目にしてる同族を傷つける!差別のきっかけ作ってる!」
そう言ったら、2人の顔つきが変わった。
「あなた達、なぜ募金詐欺はじめたかわからない!こんなことしないで、真面目に頑張ってたときあったはず!だから、もうしないで!あなた達のしたこと悪いこと!優しい日本人、お人好しの日本人、面倒見がいい日本人、人情がある日本人、日本人の善意の心、小さい子供の時から善意の心がからある。あなた達、僕みたいな子供からもお金ほしがる。僕より働き口あるのに、それすごくズルい・・・!」
その言葉で、男は顔をこわばらせ、女性は体を震わせ始める。
「あなた達、本当にボランティアで募金している、自分の国の人達の信頼を傷つけた!楽にお金を稼げるのは嬉しい。だけど、それしたら本当にお金が必要な人のためのお金、集まらなくなる。お金ないと、死んでしまう。そうなるとあなた達、人殺しだよ!!」
「「・・・!!」」
言い終わった時、暴れていた男女は静かになっていた。
興奮気味に怒っていた同族の達も、悲しそうな顔で黙っていた。
「日本人、みんな僕達の国に行くわけじゃない!だから、日本にいる僕達で判断するしかない!僕、お兄さん、お姉さんと話して、楽しかった!懐かしかった!良い人思った!だから、もう二度と募金詐欺しないって信じてる!」
「・・・#%#・・・」
(え?)
ボソリと、男の方が何か言ったようだった。
女の方は、下を向いたまま声を上げて泣き出す。
そんな2人を車に押し込こむ本物のボランティア達。
「坊やの言う通りだ。」
そう言って、白髪のおじいさんが再び私の頭を撫でる。
「ありがとう。みんながみんな、あいつらみたいなやつじゃない。きっと、あの2人も反省するはずだからね?」
「うん・・・」
「それじゃあ、モニカ。」
「ええ、またね。」
モニカちゃんに挨拶すると、助手席に乗り込む外国人のおじいさん。
そのまま2台の車は、私達の前から走り去った。


