「モニカ、迷惑をかけて悪かった。こいつらはこちらで引き取る。」
「そうしてちょうだいねぇ~リーダーさん!こいつら以外にも、まだ5グループぐらい、募金詐欺してんのよねぇ~あ、これ、募金したお金から飲み食いしたり、服買ったり、パチンコしたり、電車の切符を買ってる証拠の写真と画像だから♪」
「こんなにあるのか・・・」
可愛いデザインの袋を受け取り、その厚みを確認しながら項垂れるおじいさん。
「警察に引き渡しても、微妙だからねぇ~♪リーダーさんが再教育するならぁ~黒子ファイブは動かないでおくけど、いかがかしら?」
「再教育する。申し訳ありませんでした・・・!」
「じゃあ、二度とこの辺りに来ないように連れて行ってね?」
笑顔のモニカちゃんに頭を下げるおじいさん。
顔を上げたと、みけんにしわを寄せた怖い表情になっていた。
そして大きめの声で、あちらの国の言葉で怒鳴りちらす。
それで、いつの間にか近くに止まっていた大型車の中へと男女2人は引きずられていく。
「&%$*+*+$$!」
「*+*+%%$##&!」
2人とも暴れながら何か言っている。
習ってないからやっぱりわからない。
「モニカちゃん・・・」
「おほほほ!あのまま反抗的な態度なら、きついお仕置きになるかもねぇ~」
(お仕置きって・・・)
正直、騙されかけたのはムカついた。
だけど、悪い人とはいえ・・・憎めないようなところはあった。
(同族だからと見逃したところ・・・その優しさが、他のことに使えたのなら・・・!)
それを思うと、このまま黙って見送ることができなかった。
「あ!?凛ちゃん!?」
気づけば、連れていかれる2人の前まで駆け寄っていた。
「あの!」
私を見る2人から、さっきのような笑顔はない。
汚いものを見るような目だったけど、構わずに言った。


