彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「モニカ、迷惑をかけて悪かった。こいつらはこちらで引き取る。」

「そうしてちょうだいねぇ~リーダーさん!こいつら以外にも、まだ5グループぐらい、募金詐欺してんのよねぇ~あ、これ、募金したお金から飲み食いしたり、服買ったり、パチンコしたり、電車の切符を買ってる証拠の写真と画像だから♪」

「こんなにあるのか・・・」



可愛いデザインの袋を受け取り、その厚みを確認しながら項垂れるおじいさん。



「警察に引き渡しても、微妙だからねぇ~♪リーダーさんが再教育するならぁ~黒子ファイブは動かないでおくけど、いかがかしら?」

「再教育する。申し訳ありませんでした・・・!」

「じゃあ、二度とこの辺りに来ないように連れて行ってね?」



笑顔のモニカちゃんに頭を下げるおじいさん。

顔を上げたと、みけんにしわを寄せた怖い表情になっていた。

そして大きめの声で、あちらの国の言葉で怒鳴りちらす。

それで、いつの間にか近くに止まっていた大型車の中へと男女2人は引きずられていく。



「&%$*+*+$$!」

「*+*+%%$##&!」



2人とも暴れながら何か言っている。

習ってないからやっぱりわからない。



「モニカちゃん・・・」

「おほほほ!あのまま反抗的な態度なら、きついお仕置きになるかもねぇ~」



(お仕置きって・・・)




正直、騙されかけたのはムカついた。

だけど、悪い人とはいえ・・・憎めないようなところはあった。



(同族だからと見逃したところ・・・その優しさが、他のことに使えたのなら・・・!)



それを思うと、このまま黙って見送ることができなかった。



「あ!?凛ちゃん!?」



気づけば、連れていかれる2人の前まで駆け寄っていた。



「あの!」



私を見る2人から、さっきのような笑顔はない。

汚いものを見るような目だったけど、構わずに言った。