彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「今日はお小遣い日だったから、一緒にドラッグストアでシャンプーとリンスと化粧水と洗剤とおむつとか買う予定なのよ。この子の母国では日本製品が人気だっていうし、お母さんのいる国だと日本製品は高く買えないんでしょう?それが一族全員の分となったら大変。たくさん買っても安い上に、ポイント5倍デーに買えば、さらに値引きもしてもらえる。日本でまとめ買いした方が良いでしょう?」

「・・・そうね、日本製品が良いとわかってるから、母国じゃ高いわ。私も母が大好きだから、シャンプーやボディーソープを仕送りとは別に送ってるわ。」

「俺もだ。けど、同じ種類の洗剤にしないとケンカになるんだ。前に、いろんな種類がった方が選べていいじゃないかと思って買って帰ったら、人気の洗剤が取り合いになって困ったぜ。」



(え!?しゃべり方が変わった!?)



片言だったはずの男女の日本語が上手になっていた。

もはや、私たち日本人と変わらない普通の日常会話レベル。



〔★変わりすぎだった★〕



呆気におられる私に気づくことなく、りゅうちょうな日本語で2人の男女が話しかけてきた。



「坊主、ママとはどれぐらい会ってないんだ?」

「あ・・・3年。」

「電話は?」

「パパが良い、言う日だけ。」

「坊やはママのこと、恋しくない?」

「・・・ママのココナッツのご飯食べたい。」

「ああ、どの料理にもココナッツ入れるもんな?」

「日本なら、手に入るから作れるんじゃない?」

「あー・・・作り方、ママしかわからない・・・。パパ、作る言ったけど、料理の名前聞かれて答えられなかった。ママの料理はママの料理・・・だけど、日本人に、それ伝わらない。」

「「そうそう、そうなんだよね~!」」



苦し紛れで言ったら通じた。

なぜか片言になってしまったけど、彼らの反応は悪くなかった。



「必ず名前があるはずだって言われて、俺も職場で困ったぜ。」

「私なんか、料理になんでもココナッツを入れすぎだって言われて変な感じがしたわ。」



(モニカちゃんが言った通りだわ・・・・)



あるある話をする男女と、意思の疎通が出来たことにホッとする。