彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「もういや!主人も、体調が悪くなるし、子供達は実家に避難させたけど、これじゃあ家族がバラバラ!何のためのマイホームよ!?西峰の、あいつらのせいで我が家はめちゃくちゃよ!」

「そうですよ。あなたは被害者です。他にもいろいろされてるでしょう?」

「ええ!最初は、宗教への勧誘だけだったわ!寄付をしろと言われ、約束もしてないのに押しかけてきたりで、本当に迷惑した!」

「そうでしょうね・・・あなたは優しい人だから。その良心につけこんだんですよ。なにも悪くないのにひどすぎる。悪いことなんてしてないのにね?」

「うっうっ!そうよ!私、私、何もあちらに迷惑かけてないのに!ひどいわ!」

「そうですよ。もっと言って下さい。」

「だいたいね、あの住人はー!町内会のルールは守らないし、あいさつだってね~」



(すっごい盛り上がってる・・・)



烈司さんが優しく相づちを打つたびに、高田さんはいろんなことを話す。

泣きながら、悔しそうに怒りながら、早口で一気にしゃべる。

そうやってしゃべり続けるうちに、段々と彼女の表情が変わってきた。

30分もすれば・・・・



「私が望むのは、音を気にしない普通の生活なんです。」

「わかります。そのために、常識を持って対応された。」

「はい。ですが、話し合いもできない、話も通じない相手で・・・もう心が折れそうでした。」

「でも、あなたは負けなかった。だからこそ、我々を呼んで下さった。高田さん、あなた方が望むことは何ですか?」

「これ以上西峰に、あの隣人達に好き勝手させたくありません。」



落ち着いた口調になっていた。

ヒステリーぽかったのが、つきものが落ちたみたいに穏やかだった。



(烈司さん、すごい・・・!!)



〔★烈司アロマ、人妻を癒した★〕