彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




心の中でツッコミつつも、何もできないので静観する。

すると、車の方で変化があった。



「や、やべぇ!」



そう言うなり、1人、車に残っていた男がハンドルをつかむ。



「あ、待てよ!?」

「1人で逃げるな!」



仲間の行動を察して、百鬼さんの手の中の馬鹿共が暴れたけど・・・




ギュルルルルル、ズガン!

「うわあああああ!?」

(え!?車が!?)




動いたように見えたけど、その場で止まってしまった。

エンジンはかかっているが・・・



「タイヤがパンクしてる!?」

「わはははは!さっき、穴を開けておいた!」

「あれって、その音だったんですか!?」



〔★百鬼にしかできない技だった★〕



「ひいい!」



動かない車に、乗っていた男が転がりながら出てくる。

それを見て、百鬼がつまんでいたうちの1人を投げつけようとしたが――――――



「ごめんなさーい!」

「あぁん!?」

「スライディング土下座した!?」



勝てないとわかっていたらしく、全面降伏してきた。



「許してください!すみmせんでしたぁー!!」



敵は白旗を上げた

無駄な争いにならなかったので、私としてはホッとした。

この敵の態度に、暴れたかった百鬼が不満をあらわにする。



「ふざけんな!!男が簡単に頭下げんな!かかってこいや!」

「無理です!すんません、すんません、勘弁してください!」

「ああ!?ケンカ売って来いってのが、わかんねぇのか!?あがきやがれ、こら!殴らせろ!」

「いやです!百鬼皇助さん相手に、いやです!ごめんなさい!ごめんなさーい!!」

「・・・百鬼さん、謝ってるからやめてあげましょうよ?」

「ちっ!しかたねぇなぁ~!!じゃあ、オメーらで良い!俺様に、その辺の家電製品を投げて来い!!」



そう言って、つまんでいた男達から手を離すが・・・



「「許してくださーい!!」」

「またスライディング土下座!?」



こちらも、戦いを放棄して頭を下げる。



「「お許しください、百鬼皇助様~!!」」

「闘えよ!?」



繊維なく言う若者達に、ご不満で吠える野獣。



〔★敵は全面降伏した★〕