心の中でツッコミつつも、何もできないので静観する。
すると、車の方で変化があった。
「や、やべぇ!」
そう言うなり、1人、車に残っていた男がハンドルをつかむ。
「あ、待てよ!?」
「1人で逃げるな!」
仲間の行動を察して、百鬼さんの手の中の馬鹿共が暴れたけど・・・
ギュルルルルル、ズガン!
「うわあああああ!?」
(え!?車が!?)
動いたように見えたけど、その場で止まってしまった。
エンジンはかかっているが・・・
「タイヤがパンクしてる!?」
「わはははは!さっき、穴を開けておいた!」
「あれって、その音だったんですか!?」
〔★百鬼にしかできない技だった★〕
「ひいい!」
動かない車に、乗っていた男が転がりながら出てくる。
それを見て、百鬼がつまんでいたうちの1人を投げつけようとしたが――――――
「ごめんなさーい!」
「あぁん!?」
「スライディング土下座した!?」
勝てないとわかっていたらしく、全面降伏してきた。
「許してください!すみmせんでしたぁー!!」
敵は白旗を上げた
無駄な争いにならなかったので、私としてはホッとした。
この敵の態度に、暴れたかった百鬼が不満をあらわにする。
「ふざけんな!!男が簡単に頭下げんな!かかってこいや!」
「無理です!すんません、すんません、勘弁してください!」
「ああ!?ケンカ売って来いってのが、わかんねぇのか!?あがきやがれ、こら!殴らせろ!」
「いやです!百鬼皇助さん相手に、いやです!ごめんなさい!ごめんなさーい!!」
「・・・百鬼さん、謝ってるからやめてあげましょうよ?」
「ちっ!しかたねぇなぁ~!!じゃあ、オメーらで良い!俺様に、その辺の家電製品を投げて来い!!」
そう言って、つまんでいた男達から手を離すが・・・
「「許してくださーい!!」」
「またスライディング土下座!?」
こちらも、戦いを放棄して頭を下げる。
「「お許しください、百鬼皇助様~!!」」
「闘えよ!?」
繊維なく言う若者達に、ご不満で吠える野獣。
〔★敵は全面降伏した★〕


