犯人達がパニックを起こしてることはわかった。
このまま様子を見るべきか、声をかけるべきか。
リアクションに困ったので、隣にいる百鬼さんを見るが・・・
(いない!?)
大男は消えていた。
〔★百鬼は姿を消した★〕
辺りを見渡してみるけど、ゴミの山があるだけで人はいない。
あれだけ目立つ大男がいなくなってる。
(一体どこへ!?)
肝心な時にいなくなるなんて困るよ!
そうしてる間にも、敵はこちらの事情を察する。
「あ!?に、人間!?」
「このクソガキ!?なにしてる!?」
ビデオカメラと私を見比べながら怒る男達。
「撮りやがったな、クソガキ!カメラをこっちに、よこ―――――――――!」
「わはははははは!!」
ボン!ボン!
まがまがしい笑い声と、なにかがはじける音がした。
そして、車からゴミを運び出していた男2人の背後からそいつが姿を現した。
「ぎゃあああああああ!?」
「なんだなんだ!?」
「わはははは!」
「百鬼さん!」
(いつの間に背後にまわりこんだの!?)
男2人をつまんだまま、ご満悦の様子で笑ってる先輩。
「も、百鬼だと!?」
同じように見ていた運転席の男が、真っ青な顔で百鬼さんの名前を口にする。
「まさか、百鬼って・・・!?」
つままれている男2人も口を開く。
「あ、あなた様はもしや~!?」
「元龍星軍の初代特攻隊長・・・百鬼皇助さん・・・!?」
「わははははは!俺様を知ってるのかぁぁぁ~!!?」
「「「お助けを――――――――!!」」」
(そこは『知ってます』って返事じゃないの・・・?)
〔★命乞いの返事だった★〕


