彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




犯人達がパニックを起こしてることはわかった。

このまま様子を見るべきか、声をかけるべきか。

リアクションに困ったので、隣にいる百鬼さんを見るが・・・



(いない!?)



大男は消えていた。



〔★百鬼は姿を消した★〕



辺りを見渡してみるけど、ゴミの山があるだけで人はいない。

あれだけ目立つ大男がいなくなってる。



(一体どこへ!?)


肝心な時にいなくなるなんて困るよ!



そうしてる間にも、敵はこちらの事情を察する。



「あ!?に、人間!?」

「このクソガキ!?なにしてる!?」



ビデオカメラと私を見比べながら怒る男達。



「撮りやがったな、クソガキ!カメラをこっちに、よこ―――――――――!」

「わはははははは!!」

ボン!ボン!



まがまがしい笑い声と、なにかがはじける音がした。

そして、車からゴミを運び出していた男2人の背後からそいつが姿を現した。



「ぎゃあああああああ!?」

「なんだなんだ!?」

「わはははは!」

「百鬼さん!」

(いつの間に背後にまわりこんだの!?)



男2人をつまんだまま、ご満悦の様子で笑ってる先輩。



「も、百鬼だと!?」



同じように見ていた運転席の男が、真っ青な顔で百鬼さんの名前を口にする。



「まさか、百鬼って・・・!?」



つままれている男2人も口を開く。



「あ、あなた様はもしや~!?」

「元龍星軍の初代特攻隊長・・・百鬼皇助さん・・・!?」

「わははははは!俺様を知ってるのかぁぁぁ~!!?」

「「「お助けを――――――――!!」」」



(そこは『知ってます』って返事じゃないの・・・?)



〔★命乞いの返事だった★〕