彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




尾行の尾行は成功した。

犯人が後でいいわけできないように、被害者に抱き付いている写真を瑞希お兄ちゃんが撮影したところで私が引き離すための攻撃に出た。

その後、お姉さんを私がかばい、会長さんが犯人を縛り上げた。

本当は瑞希お兄ちゃんが縛り上げる役だったけど、「会長の自分が写真撮影なんて!」と会長さんがごねたので交代した。



「会長、携帯返しますね。」

「おお、みんなへの連絡は?」

「グループLINEで送りました。既読がついたので、すぐに他のパトロール隊員もきますよ。」

「さすが、出来る男だな~!?しかし、チョコちゃんが使った武器、あれは・・・」

「トンファーです。改造してますが。」



それはすでに、私のポケットに収まっていた。



「そっか、トンファーか・・・!」



(さすがにバレたかな・・・?)



凛道蓮はトンファーを使う。

チョコちゃんがトンファーを使ったことで、同一人物だとこのおじいさんも理解したんじゃないかな。



「チョコちゃんもトンファーを使うということは、兄弟でおそろいなんだな~!?」

「え!?」



おそろい、だと・・・!?



〔★誤解は解けなかった★〕



あまりの気づかれなさっぷりに呆然とする。

そんな私に、涙の止まったお姉さんが話しかけてくる。



「すごいね、チョコ君。格闘技してるの?」

「え、ええ・・・まぁ・・・」

「私から犯人を引きはがす役をチョコ君がすると聞いた時、すごく心配だったけど・・・余計なお世話だったね?とってもかっこよかったわ!」

「あ、いえ・・・」

「本当にありがとう・・・!」



真っ赤な目で言われ、何とも言えない気持ちになる。

相当怖かったのだと、同じ女性として胸が痛くなった。

でも、これで彼女がおびえることはなくなった。