彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




私の問いかけに会長さんは言った。



「わははは!知ってるぞ、チョコちゃん!今はやりの、『マイルドヤンキー』なんだろう?」

「マ、マイルドヤンキー?」

(私が?)



〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
マイルドヤンキー:見た目はヤンキーだけど、中身はすごく優しいイマドキっ子のことだよん♪




「チョコちゃんは、お兄ちゃんが怖いヤンキーだから、あこがれてヤンキーしてんだもんな~?よしよし!」

「いえ、あの・・・」

(そんな理由でこうなったんじゃなんだけど・・・)



〔★凛は過去を振り返っている★〕



「チョコちゃん、少年部においで!難しくないぞ!楽しいぞ~!?」

「凛まで巻き込まないでください、会長!」

「瑞希お兄ちゃん。」

「来い、凛!」

「わっ!?」



私の手を取ると、足早に洋食屋さんから出る瑞希お兄ちゃん。



「その帽子の金、奴らからの慰謝料ですから、遠慮なく受け取ってください。何か言って来たら、俺に行ってくれればいいっすから!」

「でも、けっこうあるよ?」

「いいから取っておいてください!」

「あ、せめてお礼を!よかったら、何か食べて~」

「いいっすよ!失礼します。ほら、チョコ、バイバイは?」

「あ・・・バイバイ・・・」



言われてあいている手をふれば、戸惑いながらもふり返してくれた。



「待ちなよ、サナちゃん!」

「ごめんね、えっちゃん。またLINEするから。」

「はい、奥さん・・・。」



後ろからそんなやり取りが聞こえたが、瑞希お兄ちゃんは止まらない。

さっさと会長さんのお店へと戻る。



「サナちゃん、待ってくれよ!怒ったか?」



追いついてきた会長さんが、瑞希お兄ちゃんに聞く。



「怒ってません。『無理だ』って言ってるんすよ。」



それに私の好きな人は、腰を下ろしながら答える。