彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




奥さんの言葉で理解する。



「つまり、わざとお店に居座ってるんですよか?」

「そうなのよ!最初の方は、騒いで困るから警察呼んだら、すぐに帰るんけど、毎日来るのよね!おまけに警察ができるのは、口で注意するだけ!警察も警察で、お金を払って店にいる以上、商売が成立してるからって段々注意してくれなくなって・・・。毎日来るから、騒ぎの度に通報するけど、おまわりさんも毎日来てくれるわけじゃないのよ。」

「迷惑行為をするから呼んだとしても、警察が来る頃には大人しくなるんだ!最近は警察が来なくなったから、俺らで注意してたが・・・今じゃ、俺らが言ってもなかなか帰らないんだ!なめてかかってやがる!」

「ひどいですね・・・」

「だろう!?」

「でしょう!?」



居座る奴が悪いけど、警察も警察だわ。



(役に立たないな・・・)



〔★法律は難しい★〕



「半グレだってわかってるだけに、下手なことできないってみんなで話してんだけどよ~迷惑でな!」

「じゃあ、俺が追い払いますよ。」

「お兄ちゃん!?」



話を聞いていたお兄ちゃんが名乗りを上げる。



「いや、悪いぜ、サナちゃん!」

「いいっすよ。聞いちゃったわけだし、シカトできないっすから。案内してください。」



そう言って立ち上がる瑞希お兄ちゃん。



「僕も!」

「あん?」

「僕もお供します!」

「ダメだ、チョコちゃん!」

「そうよ!あぶないから、おばあちゃんと待ってようね?」

「大丈夫です!」

「そうっすよ。オメーも来い。社会勉強だ。」



そう言って、反対する会長夫婦を制して許可してくれた。



「社会勉強って、サナちゃん!」

「過保護に育てたくないんすよ。それがうちの教育方針っす!」

「うーん、それを言われちゃ、こっちは何もいねぇな・・・」

「仕方ないわね!その代わり、危なくなったら、すぐに逃げるんだよ、チョコちゃん?あたしはもちろんだけどあなたも、いざって時はチョコちゃんを守ってよ!?」

「任せとけ!チョコちゃんだけは、なんとしても逃がす!」



(いや、そこはお年より優先でしょう?)



〔★ご夫婦の優しさ、凛はモヤモヤしている★〕