「チョコちゃんの言う通りだぞ、長政!」
「会長さん。」
やり取りを聞いていたおじいさんが低い声で言う。
「お前を預かってる身としては、厳しくしつける責任がある!タカオ、トモオ、長政を連れてってくれ!勉強するように見張ってろ。」
「はーい!」
「了解っ!」
「え!?会長~嘘でしょ!?俺腹ペコで鬼ヤバなのに!」
「飯は勉強部屋に運んでやる!夏休みの宿題を終わらせないで、遊んでんじゃねぇぞ!タカオ!トモオ!早くしろ!」
「うっす!」
「了解っす!」
「うわ!?なにすんすか!?」
会長さんの指示を受け、タカさんとトモさんに両脇をつかんで抱える。
「離せよ~!あーん、リンリン!」
「頑張ってくださいね。」
とらわれた宇宙人みたいにして、ちーちゃんは連れて行かれた。
エールを送ることしかできないので、手をふって見送った。
〔★トリオが退場した★〕
ちょっとちーちゃんが可哀想だったかな?と思ったけど、これで瑞希お兄ちゃんとツーショットで座れるのでよしとした。
「ごめんね、ちーちゃん・・・」
私、恋する乙女だから。
少しでも、瑞希お兄ちゃんとの時間を大事にしたいの。
そんな思いでつぶやいた結果、
「凛が謝る必要ないぞ。ちゃんとやってないあいつが悪い。」
「瑞希お兄ちゃん。」
「そうだぜ、チョコちゃん?時には厳しくするのも、友情だ。気にするな!」
「会長さん。」
「そうなんすよ。マジで凛は、お人好しなぐらい優しいから。まぁ、そこが凛の良いところなんだけどよ。」
「わかるわかる!すれてないところがいい!可愛いなぁ~チョコちゃんは~ホント、良い弟じゃないか、サナちゃん?」
「当然っすよ!自慢の弟なんですからね~!」
周りは都合よく勘違いしてくれた。
ついでに好感度も上がって、しめしめ♪
〔★黒い凛が発動した★〕


