彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)





「チョコちゃんの言う通りだぞ、長政!」

「会長さん。」



やり取りを聞いていたおじいさんが低い声で言う。



「お前を預かってる身としては、厳しくしつける責任がある!タカオ、トモオ、長政を連れてってくれ!勉強するように見張ってろ。」

「はーい!」

「了解っ!」

「え!?会長~嘘でしょ!?俺腹ペコで鬼ヤバなのに!」

「飯は勉強部屋に運んでやる!夏休みの宿題を終わらせないで、遊んでんじゃねぇぞ!タカオ!トモオ!早くしろ!」

「うっす!」

「了解っす!」

「うわ!?なにすんすか!?」



会長さんの指示を受け、タカさんとトモさんに両脇をつかんで抱える。



「離せよ~!あーん、リンリン!」

「頑張ってくださいね。」




とらわれた宇宙人みたいにして、ちーちゃんは連れて行かれた。

エールを送ることしかできないので、手をふって見送った。



〔★トリオが退場した★〕



ちょっとちーちゃんが可哀想だったかな?と思ったけど、これで瑞希お兄ちゃんとツーショットで座れるのでよしとした。



「ごめんね、ちーちゃん・・・」



私、恋する乙女だから。

少しでも、瑞希お兄ちゃんとの時間を大事にしたいの。



そんな思いでつぶやいた結果、



「凛が謝る必要ないぞ。ちゃんとやってないあいつが悪い。」

「瑞希お兄ちゃん。」

「そうだぜ、チョコちゃん?時には厳しくするのも、友情だ。気にするな!」

「会長さん。」

「そうなんすよ。マジで凛は、お人好しなぐらい優しいから。まぁ、そこが凛の良いところなんだけどよ。」

「わかるわかる!すれてないところがいい!可愛いなぁ~チョコちゃんは~ホント、良い弟じゃないか、サナちゃん?」

「当然っすよ!自慢の弟なんですからね~!」



周りは都合よく勘違いしてくれた。

ついでに好感度も上がって、しめしめ♪



〔★黒い凛が発動した★〕