彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)





「本当に・・・ちーちゃんですか・・・?」

「ウェイウェイウェイ!リンリンのちーちゃんだよ~♪」



そっくりさんかと思ったけど、こんな子がもう1人いるわけない。

間違いなく本物ね。



〔★たくさんいては困る★〕



「リンリン、来てくれたねぇ~!ウェイウェイウェイ!他のみんなもぉ~!?」

「うはははは!無事やないかぁ~ながちゃん!」

「心配することなかったですね。」

「釈放されたってことか?」

「チース!そういうことです、真田せんぱぁぃ!」



人懐っこい笑みで言うちーちゃんにホッとする。



「良かった・・・!心配しましたよ?怪我はないですか!?暴力による冤罪の自供とかされてませんか!?」

「弁護士呼んだから平気系~!」

「弁護士!?」

「さすがヤクザの坊ちゃんだぜ。」



そんな声と共に、ちーちゃんの背後からあの人が出てきた。



「おじさん!?」



現れたのは、顔なじみになりつつある刑事さん。



〔★天敵が現れた★〕



見慣れた顔に、相手に言いたいことを言った。



「ちょっとおじさん、ひどいですよ!ちーちゃんが、何したって言うんですか!?」

「暴力・暴走行為をしてるだろう?」

「宿題するために集まったのに捕まえるなんて!」

「不良が勉強だ?説得力がねぇぞ?」

「けど、パクれるほどの説得力もなかったんだろう?」

「瑞希お兄ちゃん。」



私の後ろから、おじさんに冷たい視線を送る好きな人。



「それで?マジで、幡随院をパクった理由はなんすか、フジワラさん?」

「フジバラだっ!こいつがドラッグを持ってたからだ!」

「だーかーら!あれは、ラムネだって!」



おじさんとちーちゃんいうことが違った。



「どっちが本当なんですか?」

「・・・・・・薬は見つからなかったんだよ!」

「おじさん・・・」

(またやったんだ・・・)



私のタバコの時と同じような早とちりを・・・



〔★凛は昔をリプレイした★〕



おじさんを見てたら目が合う。

相手はばつが悪そうな顔をすると言った。



「話は終わりだ!帰っていいぞ!」

「謝罪がない系~!」

「悪かったよ!」



そう告げて私達に背を向ける。



「待って下さい。」



気づいたら、その背中に向かって問いかけていた。